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『なぜ、営業戦略は現場に浸透しないのか?』~限られた時間の配分にまでこだわる!

「とにかく数字(売上)を上げろの号令ばかりで、そもそもウチの会社には営業戦略が無いんですよ」

これは、営業強化のコンサルティングを始める際に、まずは現場の意見を聞こうという主旨で営業マンにインタビューをすると、かなりの確率で出てくるコメントです。

果たして本当に営業戦略と言えるようなものを何も打ち出していないのだろうかと不思議に思いながら、営業本部長や場合によっては社長の話を聞くと、、、

「今期は特に新規開拓に注力しようという方針を出しています」
「新しく発売される新商品の拡販が最重点テーマとして掲げています」

と様々な答が返ってきます。

少し冷静になって考えてみればわかることかも知れませんが、注力したい商品やサービス、あるいは注力したいエリアや顧客等々、殆どの企業は何らかのメッセージを打ち出しているのが当然であり、何も打ち出さないことの方が、どちらかと言えば有り得ない話です。

ところが、現場の営業マンの多くは「ウチの会社には営業戦略が無い」と思ってしまっています。

なぜ、このような状況に陥ってしまうのでしょうか?

まず、現場に近ければ近いほど、「とにかく数字になれば、何を売っても良いし、どこに売っても良い」という考え方が蔓延ってしまいます。営業の現場は、1週間単位あるいは1月単位の目標に縛られている場合が殆どなので、時間をかけて取り組まなければ成果が出ないような方策は、頭では良いと思っていても体が受けつけないわけです。

例えば、「新規開拓に注力して顧客数を増やさなければならない」ことは十分理解しているのですが、一方で、難易度の高い業務でなかなか成果が読めないこともわかっており、「やらなければいけないと思っているけどやらない」という行動になってしまうのです。

つまり、「目標を達成しろ」という指示と「新規を開拓しろ」という指示は、その指示を出している側としては、新規開拓することで目標も達成するのだから同じ話だと捉えられるものですが、現場の営業マンにとってみれば、どちらかを選択すればどちらかはできなくなるという全く異なる話としてしか捉えられないものになるわけです。

この場合、当然、目標を達成する(短期的に数字になる)方を選択することになるので、新規開拓は進まないことになるでしょう。
「新規開拓に注力しよう」といった方針を出しているけど、「新規開拓が成功するようなイメージの持てるような作戦は何も無いじゃないか」という不満が、「ウチの会社には営業戦略が無い」というコメントに繋がっているのです。

現場の動きを中心に考えると、仕事をする時間の配分を示すことが出来ない限り、営業戦略があるとは言えないでしょう。
新規開拓に注力させようと考えるのであれば、まず新規開拓の為に行動する時間を先にスケジュール化しなければいけません。余った時間を有効に使って新規開拓、などと考えてしまいがちですが、なかなか時間が余ることは無いからです。
新規開拓に必要な時間を優先的にスケジュール化して、余った時間をこれまでの既存客フォローにあてる位のことをしないと新規開拓といった仕事がなかなか進むことはありません。

営業マン自身が、既存客へ訪問する時間が減って取引が減少するリスクに対しては、営業マンおよび事務スタッフの電話フォロー、あるいは会社全体で取り組む仕組みを動かすといったところまで示すことができれば「ウチの会社は戦略的だ」という認識に変わるはずです。

誰もが平等に与えられてはいるものの、決して無限には無い(限られた)時間をどう使っていくのかまでイメージできない限り「会社としての営業戦略がある」状態だとは言えません。

是非、意識して取り組んでいただきたいと思います。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。