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価格軸から独自の商品評価軸へシフトし、勝ち残ろう

ここ数年間、地方のメーカーをお手伝いしている中で、多くの経営陣の方が「安価でないとモノが売れない」と言う声をよく伺いました。
消費者ニーズが多様化している近年、今までのような「マス」を対象にした商品開発やサービスを提供する戦略では、思い描いた売上高と収益を確保し難く、ようやくその流れから抜け出そうと本気で取り組み始めた企業様も多いと思います。
しかしながら依然として、価格訴求型のカテゴリーキラーは、店舗や事業を拡大している傾向はあります。

一方で、価格だけを商品選定の軸としない消費者が徐々に現れ、品質や希少性に商品選定の軸を基準に商品を購入しようとする動きも確実に伸びつつあります。
昨年の年末商戦の例で言いますと、私どもの支援先においてもクエや地場野菜、乾麺をセットにしたギフトが、単価12,000円で560パック完売した事例や、5Lサイズのたらばがに脚肉(3kg相当)を15,000円で販売したところ、品切れになるといったケースも見受けられました。
この流れは、年を明けた1月度においても、引き続き見受けられる傾向になっています。

いずれの事例を見ても、共通する点としては、「物語性のあるモノ作り」や、その時期にしか購入することが出来ない数量限定の「超グレード品」であったり、「生産者の顔」や「メーカーへの信頼性」の高い商材を販売しているという点があります。
メーカー側の販売意識も、「少しでもよいので、品質に絶対的な自信を持っている商品を提供する」「購入して頂けるお客様の期待を裏切らない商品やサービスを提供する」といった意識を持ち合わせているのも、条件のひとつと思います。

最近の量販店やチェーン店で商品が、「この価格でないと売れない」といった固定観念から、「勝手に決められた価格」をもとに、商品選定が始まる傾向が強いですよね。商品自体が「本来持っている品質への評価」を正当になされないままに、商品選定が行われ、売り場に商品が並ぶ。その結果、消費者自身も売り場で商品を購入する際には、ひとつの基準だけで選別された商品を購入せざる得ない状況に陥り、自らの商品選定基準をもとに「適正な商品価値」と「適正価格」の判断を出来なくなっているとも、個人的には感じています。

企業として確保するべき売上高、営業利益高は必要です。しかし、その全ての売上高や営業利益を、画一的なブランドや商品で作る必要はありません。
消費者の嗜好も再び変化する中、少しだけ、ここ最近の商品開発の発想とは違った視点で、会社の顔となるこだわり商品や独自のサービスの開発に挑戦してみてはいかがでしょうか。「価格」とは異なる独自性の追求による商品訴求を行い、価格だけではない、商品評価基準を消費者や取引先に発信し、商品を作ることで、品質で選ばれるメーカーを目指すことも、これからの時代を勝ち残る術でもあります。