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新商品開発に法則はあるのか!?[マーケティング戦略・営業戦略]

「新商品の開発手法」についてお話させていただきます。

「新商品の出ない会社は売上が上がらない」という点は健康食品業界も他の業界と何ら変わりはありません。また、健康食品であっても新商品の開発手法自体は私が以前いた食品業界と本質に違いがないことは実感しております。今回は商品開発を行う上で気をつけなくてはいけないポイントを幾つか述べていきます。開発業務経験者として、現場の本音を述べてみました。

ポイント1 「ヒット商品開発成功秘話は読んでも参考にならない」

「新商品開発」の最も難しい点は「再現性がない」ことです。「再現性がない」とは、あるヒット商品を開発したとしても、その後、同じ開発メンバーが同じ開発手法で商品開発をしても繰り返しヒット商品を出せないということを指しています。開発の仕組みがしっかりしていなくても、思いつきと運でヒット商品が開発できてしまうことも現実としてはあります。ヒット商品開発成功秘話の陰で多くの商品が開発され、処分売りされ、市場から消えていっています。成功秘話に出てくる成功理由はほとんどが成功した後に語られる後付けのものなので、面白い読み物として読んでおけばよいでしょう。

ポイント2 「消費者の声を聞いてはいけない」

新商品を開発する際に必ず重要だと言われるのが「消費者の声」というものです。商品開発をしたことがない人に限って「消費者調査」をやりたがるという傾向にあるように感じます。消費者のニーズに対し、仮説を立てることは大切ですが、消費者ニーズを把握するというのは想像以上に難しいことです。その最大の理由は消費者自身がニーズを認識していないという現実があるからです。果たして、商品がこの世にない時に「ポカリスウェット」のような商品が欲しいとか、「朝用の缶コーヒー」が欲しい、「ウォークマン」のような商品が欲しいという声が消費者調査によって拾えるとは思えません。そもそも「消費者調査」が威力を発揮するならコンビニの棚が頻繁に入れ替わることもないだろうと思うのは私だけでしょうか?ちなみに「消費者調査の結果」が最も効力を発揮するのは社内の経営会議という企業も実際にあるようです。

ポイント3 「信念のない人を責任者にしてはいけない」

新商品開発というのは正解がわからない仕事です。しかしながら、その仕事の特性上、周囲の人に様々なご意見をいただきます。「こんな商品売れるの?」
「ダサイ、パッケージ」「高い」「安い」・・・部外者は好き勝手、無責任なご意見をぶつけてきます。ただ、その商品がヒットするかどうかはやってみないとわからないのも現実です。周囲の声に流されず、信念を持ったリーダーでなければ開発プロジェクトを完遂することはできません。信念のない人が責任者では背骨のない商品を世に出してしまうことになりかねません。

ポイント4 「コストとスケジュールを最初に決める」

新商品開発というとアイデアとか発想とかクリエイティブな要素ばかりが重視されがちですが、開発業務においては同じくらい「コスト」と「スケジュール」が重要となります。商品が完成してから「コストが合わない」と青ざめたり、「スケジュール」管理が悪く、協力会社に迷惑をかけるという場面は意外に多いのが実態です。特にスケジュールに関しては女性をサポートにつけることがポイントです。男性よりも緻密な女性の特性が活かされる場面の一つと言えます。

ポイント5 「周囲の批判に惑わされない」

ポイント3で述べたように新商品開発業務というのは周囲から様々な意見や時には批判が寄せられる仕事です。その意見を全て聞いていたらとてもではありませんが体が持ちません。周囲から何か批判を受けたら、笑顔で「では具体的にどのようにしたら良いかを教えてください」と言うのがポイントです。もしくは「じゃあ、私の代わりに開発してください。よろしく」と開き直るのも友好的です。具体性を求められた時にはじめて相手もその業務の難しさを認識するからです。

新商品開発は正解のない仕事。地道に一つ一つのアイデアを大切に進めていきましょう。
(この記事は2008年4月28日に初掲載されたものです。)