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『こんな時代だからこそ“売れる”にこだわれ』~真の“効率化”経営とは!

バブル崩壊以降、21世紀に突入した頃には「失われた10年」などと言われた。
そこからさらに10年が経過した現在、「失われた20年」といった表現が出てくるようになってしまった。

このような環境下、多くの企業は利益を確保するために、
「売上が大きく上がる見込みも低いから“効率化”しなければならない」と考えてさまざまな努力をしてきたことだと思う。

懸念するのは、企業が“効率化”といったときには、得てしてコスト削減に目が向きがちになってしまうことである。

もちろん、無駄なコストの削減であれば必要不可欠であることは言うまでもない。
また、思うように売上を狙えない中では、コストを削減しなければ利益を出すことはできないのも事実だ。

しかしながら、経営という視点でみたときの“効率化”とは、もちろんコストを削減するだけの話ではない。
効率的に売上を維持する、あるいは効率的に売上を上げる、ことも“効率化”の範疇だ。

つまり“効率化”経営とは、本来、売上をいかに効率的に上げながら、
いかに無駄なコストを削減するか、という、いわば両輪を回していくことに他ならない。

気をつけてもらいたいのは、「組織は何かと二元論に持ち込みたがる」ことだ。

「売上を上げるんですか? それともコスト削減で利益を出すんですか?」
「新規客をやるんですか? それとも既存客ですか?」
「サービスレベルを上げるんですか? それとも人を減らしますか?」
「欠品を減らすんですか? それとも利益率重視ですか?」

例えば、これらのような二元論に持ち込むことで、“対立”を引き起こす。

前提として再認識していただきたいのは、経営は二元論にはならないということ。

経営とは、実行段階で相反するようなもののバランスをとることなのである。

だから、例えば新規客をやるのか既存客をやるのか、などといった話には本来なるはずもない。
どんなときでも新規客も既存客もやるのだが、その時点の状況に応じてバランスが変わるだけの話だ。

ところが組織というものは、バランスを変えるだけの話を「大きな変化や変革」と受け止め、
「変わりたくない」という形状記憶機能が働き、抵抗を試みようとする。

その潜在意識が、二元論的な話に持ち込み、「一体どっちにするんだ」と言いながらも、
何とか「変えたくない」気持ちを通そうとしてしまうわけだ。

“効率化”経営についても、考えるべきは、自分の会社が“今”どんな状況にあるかということである。

赤字に転落して、早急に出血を止めなければならないような状況であれば、当然、コスト削減に大きな比重を置かなければならないだろう。

しかし、「なかなか利益が上がらないようになっているから不安だ。株主にも説明がつかないし」といった程度の状況なのに、なぜか「利益体質への転換」と極端にコスト削減を実施して、売上を上げる力がなくなっている企業が目立つ。

そんな状況だからこそ、是非とも「売れる」にこだわってもらいたい。