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『正しい“事実”を洗い出す』~消費税増税論議に思うこと!

内閣支持率が、報道各社とも30%割れという状況らしい。

ブログ、ツイッター、フェイスブック等々、情報発信および情報収集の新たなインフラが構築されてきたことによって、
いわゆる“世論”形成の流れも変わってきたように感じる。

これまでは、新聞、TVといったマスメディアが“世論”の流れを作ってきた。
そこには、どうしても情報発信側の意図が入ってしまうわけだ。

これまでは、受け手側(つまり我々国民)がそこに少々疑問を持ったとしても、確認の為に新たな情報を得るのは至難の業だったが、今は違う。

もちろん、自ら見聞きする“一次情報”とまではいかないが、
様々な専門分野を持つジャーナリストや大学教授といった方々が個別に情報発信しているし、
不特定多数の人が特定のテーマで議論できるようなサイトもある。

「震災復興に向けて消費税増税」
「社会保障と税の一体改革」

要するに、「政府の収入が足りないから消費税率を上げなければならない」といった“意図”は、
ひと昔前であれば、「消費税増税止む無し」の“世論”を形成できたかも知れない。

しかし、新しい情報ネットワークを手に入れた国民は、“事実”に迫れるようになった。

「1997年、3%→5%に消費税率が上がったとき、政府の収入は下がった」
「本質的には景気拡大(つまりGDPを上げる)しないと政府の収入は上がらない」

だからこそ、偏った情報で“意図”を突き通そうとする政権の支持率は上がらないのではないか。

正しい“事実”を洗い出した上で、それらの“事実”をどう認識するのか。
それを議論のスタートにしなければ「今、何をすべきか」は見えてこない。

もちろんビジネスにおいても全く同じことが当てはまる。

多くの企業から「景気が悪いから自分の会社も厳しい」といったコメントが出てくる。“意見”として聞く分には、「そうですね」という話だ。
しかし、それを前提に経営計画をたてるという話になってくると、「ちょっと待って下さい」と言いたくなるケースも多い。

売上を横這い、あるいは微減とするような経営計画をたてる場合、
当然最終利益を出す必要があるということで、コスト面を削減する方向で考えるしかない。
自ずと、「新規採用を控える」、「従業員の給料は据え置き」、「広告費を下げる」、「教育費を下げる」、等々の予算計画になる。

このような計画をたてると、売上にインパクトをもたらす方策がとれないので、
「景気が悪いから自分の会社も厳しい」という状況を打開できない。

これでは、「収入が足りない(景気が悪い)から消費税を上げる→消費税を上げると更に収入が下がる(景気が悪くなる)」をやろうとしている支持率低迷の内閣と何も変わらない。

もしも業績が悪いのならば、「なぜ自分の会社は悪いのか」という問い掛けに対して納得のできる答、つまり“事実”を洗い出さなければならない。

「客数減少」、「客単価減少」、「粗利低下」、「既存顧客からの取引減少」等のさまざまな数値実績に対して、
「なぜ減少(低下)しているのか」を導き出すことだ。

また、同業界に属する企業がどんな状況なのかを確認することも不可欠である。
「景気が悪いから厳しい」が仮に本当だとすると、同業他社も全て厳しいということになるが、どんな業界でも勝ち組が存在するケースが殆どだ。

「景気が悪いから自分の会社が悪いのも仕方が無い」

過ぎた結果に対して後悔しない意味で言うのは問題ない。
しかし、これからのことを考えるときに、これを前提にするのは問題だ。
正しい“事実”を洗い出し、しっかりと反省した上で、攻めと守りのバランスのとれた計画をたててもらいたい。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。