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成約させたいなら顧客のニーズは聞くな! モノが売れない時代のコンサルティング営業実践法(2)

前回からシリーズもので、法人営業で成果を出す「コンサルティング営業」を実践する方法についてお伝えしています。
「なかなかモノが売れない」時代においては、相手に対して的確なアドバイスを行い、納得してもらったうえで売る「コンサルティング営業」が効果的だと、前回お話ししました。

繰り返しになりますが、コンサルティング営業を成功させるためには、次の要素が必要です。

 (1)マインドセット(心構え)
 (2)ビジネスモデル(商品を売るのではなくビジネスモデルを売る)
 (3)マーケティング(集客の仕組み)
 (4)ビフォーフォロー(事前準備)
 (5)セールス(成約の仕組み)
 (6)アフターフォロー(顧客を営業マンに変える仕組み)

そこで今回は、(4)ビフォーフォロー(事前準備)からご紹介していきましょう。
※(1)~(3)については前回をご参照ください。

■ なぜ営業マンは「練習」をしないのか

(4)ビフォーフォロー(事前準備)

ビフォーフォローとは、アフターフォローの反対の意味で使っている造語ですが、要するに「事前準備」ということです。
この「事前準備」はチームコンサルティング・チーム営業を行う上で非常に重要になります。
これをやるか、やらないかで成約率は相当変わってくると思います。

では、事前準備に何をしたらいいのか。次の2点だけを確認します。
それは、「ゴール」と「提案シナリオ」です。

私はコンサルティングの一環として、クライアントの営業マンの営業同行などもよく行ってますが、
ほとんどの営業マンは事前準備をしていません。
訪問先の会社の情報や、今日話す内容は用意していたりしますが、今日の訪問のゴール(どのような状態になったらOKか)、
そして提案シナリオ(ゴールに向かってどのように商談を進めていくか)まで考えている人はほとんどいません。

スポーツの世界であれば、たくさん練習とシミュレーションをして本番に臨むはずです。
ところが、営業の場面では、そんなに練習やシミュレーションもせずに行き当たりばったりで本番を迎えてしまうことが多いのです。
スポーツの世界では当たり前のことが、営業の世界では当たり前ではなくなっているとは、おかしな話ですよね。

重要なので、繰り返し伝えますが、事前準備で重要なのは、「ゴール」と「提案シナリオ」を設定することです。
できれば、それは上司やチームで考えてあげることがポイントです。
1人で考えても、経験の浅い人であれば、いいアイディアが浮かばないこともあります。

チーム営業で大事なのは、事前準備にしっかり時間をかけてあげるということです。
しっかりと言っても、時間を多くかける必要はありません。
15分でもいいので、1日前ぐらい(慣れれば直前でも可)に実施すると効果的でしょう。

■ ヒアリングはするな! ニーズに対応するな! 成約率を上げる「商談の流れ」

(5)セールス(成約の仕組み)

セールスはどうしても属人的になりがちですが、それでも仕組み化することはできます。セールスで大事なのは、「商談の流れ」です。成約できる商談の流れは以下のとおりです。

 ◇ 現状を聞く(軽く)
   ↓
 ◇ 想定課題をぶつける
   ↓
 ◇ どうなりたいか(ビジョン)を聞く
   ↓
 ◇ あるべき姿を提示する
   ↓
 ◇ 事例を語る
   ↓
 ◇ クロージング
   ↓
 ◇ 買わない理由をつぶす
   ↓
 ◇ 決断を促す

この流れの中で特に重要なポイントをお伝えしたいと思います。

●ポイント[1]:ヒアリングするな!

ヒアリングはとても高度なスキルが要求されます。
フツーの営業マンはそこまでのスキルを持っていないので、ヒアリングしてはいけません。
下手にヒアリングするとボロが出るだけです。

しかも、ヒアリングが下手な人は、お客さんの言っていることに惑わされてしまうことが多いといえます。
お客さんのほうも自社の課題を正確に把握していない場合が多々あります。
表面上の課題だけに目を取られていて、課題の本当の原因(真因)を掴んでいないケースが多いのです。
そうなると、誤った課題を認識してしまい、解決策がピンズレしてしまいます。

では、どうしたらいいのか。ヒアリングをするのではなく、想定課題をぶつけるのです。
想定課題とは、よくある課題です。聞いたお客さんが、「それ、あるある。ウチの会社のことだ」と思うような課題です。
想定課題をぶつけて、それが当たっていると、「おっ、この人わかっているな」と思わせることができ、信頼してもらうことができます。

●ポイント[2]:ニーズに対応するな!

ヒアリングと同じですが、ニーズにも対応してはいけません。
コンサルティング営業で大事なことは、「あるべき姿」を提示することです。
相手のニーズに対応しだすと、「こんなことできないの?」と言われてしまい、主導権を握れなくなります。
ニーズを聞くのではなく、あるべき姿を提示することが重要です。

そして、あるべき姿を手に入れたいか? 手に入れたくないか? まさに二者択一。そういう提案をしなければなりません。

●ポイント[3]:あるべき姿をBefore/Afterで示す

あるべき姿を提示する際には、「現状の姿:Before」と「あるべき姿:After」を対比させると効果的です。

お客さんが知りたいのは、「現状からどう変わるのか?」です。
「今の業務プロセスはこうだけど、あるべき姿になるとこうなります!」とお客さん視点の業務プロセスで見せてあげると、
お客さんは理解しやすくなります。

そして、あるべき姿になるためには、「あなたが提供するサービス」が必要になるというロジックにもってくる必要があります。
この場合、お客さんは「サービス自体」をほしいわけではありません。
あくまでも、「あるべき姿」を手に入れたいのです。その点、履き違えないようにしないといけません。
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●ポイント[4]:事例で語る

これは営業の大前提として知っておいてほしいことですが、お客さんは営業マンの言うことなんて誰も信じていないということです。

やはり、営業マンはいいことばかり言いたがるものです。ですから、営業マンの言うことは半信半疑で聞いています。

一番説得力があるのは、「成功事例」「お客様の声」です。商談の際には、80%は事例の話をすべきです。商品やサービスの話をメインにしてはいけないのです。

●ポイント[5]:心のクロージングをかける

支援先の営業同行をしていて、一番びっくりしたのは、「営業マンがクロージングをしない」ことです。
本人はクロージングしているつもりだったり、クロージングするタイミングがなかったりと、いろいろ理由はありますが、
結果として、クロージングしていないことが多いといえます。
当たり前ですが、これではいつまで経っても成約することはできません。

「心のクロージング」とはどういうことか。
つまり、次のトークをすることです。
「今すぐ注文書にハンコは押せないかもしれませんが、今回の提案は実行したいですか?したくないですか?」と相手に聞くことです。

これをしっかり実行するだけで確実に成約率は上がるでしょう。

●ポイント[6]:買わない理由をつぶす

心のクロージングをかけたあとは、買わない理由をつぶす作業に入ります。
そのときのトークはこれです。「仮に契約するとしたら、何か問題はありますか?」

仮にと前置きしますが、契約前提で話を進めていきます。
このトークをして話が進まないようであれば、相手は買うつもりがないので、無理に商談を進める必要はありません。

ここで、問題が出てくれば、それを1つずつ潰していきます。
成約するのはカンタンです。買わない理由をすべて潰せばいいだけですから。
買わない理由は、ある程度想定できるので、予め買わない理由に対する切り返しトークを用意しておきます。

よくある買わない理由としては、次のようなものがあります。これに対して、切り返しトークを用意します。

 ◇ 本当に効果があるの?
 ◇ 他社との違いは何?
 ◇ 金額が高いよね
 ◇ もう少し体制が整ってからお願いしようかな

●ポイント[7]:最後は気持ちの問題

ここまで来たら最後は気持ちの問題です。
かなり精神論ですが、ここが一番大事と言っても過言ではありません。

気持ちの上で大事なのは、「売れっ子コンサルタントのように振舞えるかどうか」ということです。
つまり、目の前のお客さんから受注できなかったとしても、「自分は売れっ子コンサルタントなので、全く問題ない」という気持ちで商談に臨むことができるかです。

「目の前の案件をほしい」と思ってしまうと、どうしても焦りが出てしまいます。
それは、自分ではわからないくらいの微妙な発言や行動になって現れます。

結局は、最後は気持ちが大事なのです。

以上がセールス、成約するための仕組みです。これをマスターすれば、成約率はグンっと上がることは間違いないです。

■ 見込み客を成約に導く“最後の一押し”「モデル企業の視察ツアー」

(6)アフターフォロー(顧客を営業マンに変える仕組み)

ここでいうアフターフォローは、追客の話ではありません。
むしろ、追客はするな! と言っていますから、ここでのアフターフォローは、顧客を営業マンに変える仕組みのことを指します。

顧客になった会社さんが自社のサービスについてPRしてくれたり、売ってきてくれたりしたら、すばらしいと思いませんか。

そんなすばらしい仕組みですが、実のところ船井総研は昔から実施してきました。
その例の1つが、モデル企業の視察ツアーです。私のクライアント先では、「モデル企業見学会」と名づけています。
これは、既存客でモデルとなる企業を視察する企画です。対象は、あと一押しすれば成約できるような見込み客になります。

モデル企業見学会の良いところは、訪問先の社長が営業マンの代わりになってくれる点です。具体的には(IT企業の場合)、

「このシステムを導入して本当によかった」
「このシステムがないと業務をまわすことができない」
「まだシステムを入れていないんですか?」
「早く入れたほうがいいよ」

というような発言が出てきて、見込み客の背中を押してくれます。
これぞまさに、顧客を営業マンに変える仕組みと言えます。

モデル企業見学会にお客さんをお誘いするトークはカンタンです。
「一緒に業績があがっている(成功している)会社を見に行きませんか?」これだけで十分です。

ただし、モデル企業見学会でいいことを言ってもらおうと思ったら、既存顧客に満足してもらっていないといけませんし、
常にフォローしていないといけません。
それを行うことで、「顧客を営業マンに変える仕組み」が出来上がります。
これほど効率的なアフターフォローはありません。成約後には、ぜひこの仕組みを構築しましょう。

以上、コンサルティング営業の実践法でした。
コンサルティング営業は、能力やスキルの問題ではなく、仕組みで実践できるということがおわかりいただけたでしょうか?

少しでも皆さんのお役にて立てれば幸いです。

(出典:ダイヤモンド・オンライン