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平均年齢72.6歳、1人あたり平均資産は約20億円!? 数値で見る「日本の超富裕層」の実態

■ 「ミリオネア」と呼ばれる人たちの実態

これまで、富裕層を表す言葉は、「ミリオネア」が一般的でした。ご存知の方も多いと思いますが、通常「ミリオネア」と呼ばれる方々に対する一般的な定義は、

 (1)世帯年収が3000万円以上
 (2)保有する金融資産(不動産を除く)が1億円以上

とされています。

この定義から調査をすると、該当する日本人の割合はおよそ100人にひとり、全国に120万~140万人規模で存在します。「100万人以上なんて、結構な数の人がいるんだな」と思われるかもしれません。では、その100万人以上の人々の普段自由に使えるキャッシュの状況はどうかというと、必ずしも余裕のあるお金の使い方ができていないのが実態です。

日本には累進課税という収入に応じた形で変動する「所得税」や「贈与税」が存在します。仮に3000万円の世帯年収があれば、単純に40%が税金として徴収されます。

つまり、1200万円を国に支払うことになります。

「それでも、1800万円も残るのでは」と思われるかもしれません。しかし、富裕層は収入に応じて住居にもお金をかけ、住む場所も環境の整った高級住宅街にこだわります。

また、健康への意識も高くなるので、スポーツジムにも通います。もちろん、自己投資として、家族も含めて教育費にお金をかけます。そしてミリオネア同士は、日頃から食事やゴルフなどの「交流」が多くなりがちなため「交際費」に多額のお金がかかることも多いのです。

意外に思われるかもしれませんが、たとえ貯金できたとしても、その額は年間200~300万円を下回ってしまうミリオネアも少なくありません。「お金を貯める」という観点から見てみると、月給30万円で家賃や食費を抑えて堅実な生活をしている人の貯金できる金額と大差はない状況が多く見られるのです。

■ “超富裕層”である「ビリオネア」の定義

ミリオネアとは対照的に自由になるキャッシュが潤沢にあり、毎年、数千万円のお金を使うことができるのが「ビリオネア」と呼ばれる人たちです。そして、富裕層ビジネスの成功を考えていく上でも、先に説明した「ミリオネア」と、ここであげた「ビリオネア」をしっかりと区別し、その違いを把握した上で、それぞれに合うマーケティング戦略を立てていくことが必要となります。

では、「ビリオネア」とは一体どのような人たちなのでしょうか。いくつかの数値で見ていきます。この分析に際しては、富裕層ビジネス研究会とも協力関係があり、9500万件の個人情報データと、750万件の企業情報データを有する株式会社ランドスケイプにデータ提供の協力をお願いしました。彼らの保有する『富裕層データベース』と『富裕層判定ロジック』をベースに、私の考える『ビリオネアの分岐点』を加え、ビリオネアの条件を導き出しました。分析の手順はシンプルです。

(1)富裕層の条件のポイント(点数)化
(2)9500万人への点数付け
(3)ランキングおよび上位の抽出

この3つのステップでおこないました。

(1)富裕層の条件のポイント(点数)化は、「職業」「住居」「その他」の3つの属性から判断しています。以下に、それぞれの属性について、その評価の方法や基準とそこで付与されるポイント数などを説明します。

● 職業属性

一定規模以上の会社経営者層や医師、弁護士、公認会計士等の高度資格者、議員や高官、一部の名鑑に収録されている著名人などが高額な資産を有する可能性の高い属性と判定されたことから、これらの職業に対して評価を与えています。医師、弁護士、会計士などは、就労年数が短い場合、必ずしも高所得者とはいえない場合があるため、高所得者をより精度を高く特定したい場合は、年齢や勤務先形態など、他の判断要素を加えています。(表1参照)

● 居住属性

高額な不動産に居住する人は、一般に富裕層であることが容易に推定されることから、居住属性に対して評価を与えています。高級住宅街については、土地評価公示の情報をベースに、その住宅地に居住する「高額納税者」「一定規模以上の会社経営者」「高度資格者」の出現率などを加味して設定。一部地域については、土地評価に加え、地図情報から家屋の面積を計算し、富裕性を推定しています。高級マンションについては、一般に流通している物件ごとのマンション情報(分譲価格など)から、分譲額の絶対値および面積あたりの分譲額から高級マンションとみなす物件を設定しています。(表2参照)

● その他属性

2005年(対象は2004年)までの高額納税公示者については、納税によって高所得が証明されているため高いポイントを与え、連続高額納税者には付加的にプラスポイントを与えています。その他の項目については、公開企業の株主など、保有資産額が高額であることをほぼ確定的に推定できるもの以外は1~2ポイント程度の補助的な評価を与えました。また、表には掲載していませんが、過去に犯罪歴や自己破産の経験がある方などは、減点計算をしています。(表3参照)

■ 日本には「2万6386人」のビリオネアがいる

国内の9500万人を「職業属性」「居住属性」「その他属性」の3つポイントで点数化し、獲得点数に基づいてランキングして上位の点数とそれを獲得した人数をまとめていきます。これまで、ランドスケイプ社では点数が11点以上を『ウルトラリッチ層』、8点以上を『上位クラスリッチ層』、5点以上を『平均的リッチ層』と定義しています。

その結果、「11点以上」には「9万1707人」が該当します。しかし、11点以上にしてしまうと、「相続した親の資産を売却した人」、「株やFXなどでいきなり稼いだ人」「ベンチャー企業などで新規上場した株主」といった「一時的なビリオネア」も該当してしまいます。

そのため、ここでさらに私がこれまで直接、間接的に知り合った何人かの「ビリオネア」の属性から、その人たちにポイントを加算し、「社長(6点)、高級住宅街居住(5点)、新規公開企業株主(5点)」というようにポイントを付与していきました。

すると、その獲得ポイントの平均は「16点以上」となりました。このように、16点以上を取るということは、「会社を経営している」とか「高級住宅街に住んでいる」だけでは足りません。

例えば、上場企業の社長であっても「株式」を保有していない場合、すなわち「雇われ社長」ではビリオネアには当てはまらないと定義しています。高額納税者(9点)でマンションオーナー(5点)であっても合計は「14点」です。評価額の高い土地や建物を財産として相続したような「一時だけ」の場合も除外する必要があります。

つまり、16点以上の獲得者は「安定した収益基盤を持っている」と同時に「長期間にわたって社会的に信頼されている」ということが前提条件となるのです。

では、このビリオネアの条件を満たすことができる人は一体、日本にどれくらい存在するのでしょうか?

今回の分析から、私の定義する「ビリオネア」は日本国内に「2万6386人」いることが分かりました。日本の総人口(約1億2000万人)から考えると「0.02%」。つまり、5000人にひとりの割合で「ビリオネア」が存在するのです。ちなみに、最高ポイントである49点という人が存在します。

■ 日本のビリオネアの平均年齢は「72.6歳」

実際、ランドスケイプ社のデータで16点以上の獲得者から「年齢」を割り出すと、平均は「72.6歳」という定年を超える年齢なのです。もう少し、詳細に見ていくと、最も人数が多い年代は「70代」(34.3%)。次いで「60代」(26.9%)、「80代」(18.6%)となっています。70代以上で全体の57%、60代以上で84%を占めているのです。既に現役を退いているような年代層が多いということは、それだけ長期間、安定して資産を保有し続けていることがうかがえます。(図1参照)

さらに、16点以上が超富裕層であると裏付けるデータがあります。日本では1947年から2005年まで存在した「長者番付」。正式名称は「高額納税者公示制度」です。実際に16点以上の獲得者の長者番付掲載回数は「3.5回以上」となっています。

3.5回以上ということは、4年間は高額な税金を納め続けていることになりますから、一時的な「会社の上場」や「遺産の相続」では、この回数は成し遂げられません。

いかにビリオネアが「継続して高額所得を得ているか」が、この数値からもご理解いただけると思います。

■ ビリオネアが多いのは「東京」「神奈川」「愛知」

では、2万6386人のビリオネアは、日本のどこに住んでいるのでしょうか?

まずは「都道府県別」で見てみましょう。ランキングの第1位は「東京」です。およそ8000人、ビリオネア全体の約30%が東京に住んでいます。日本の人口の10分の1が東京に住んでいると言われますが、ビリオネアは3分の1近くが東京に集中しているのです。

第2位は「神奈川」です。およそ2000人、ビリオネア全体の8%が住んでいます。神奈川は、東京へのアクセスも便利で住みやすく、横浜など古くからの貿易港もあることから、納得ができる結果だと思います。

第3位は「愛知」です。おそらく、東京に次ぐ大都市である「大阪」、横浜と同様に貿易港の神戸や、高級住宅街である芦屋を抱える「兵庫県」をイメージされた方も多いと思います。

しかし、昔から愛知は信長、秀吉、家康を輩出して、経済圏を確立してきただけでなく、現在もトヨタをはじめとする自動車関連企業、三菱重工に代表される重化学工業関連企業が集まっていることもあり、古くからのビリオネアが住んでいるのです。

■ 日本の年間税収とほぼ「同額」!? ビリオネアの保有する金融資産は50兆円

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した『パレートの法則』という法則があります。別名「80:20の法則」とも言われるこの法則は、様々な分野で当てはまりますが、「2割の高額所得者のもとに8割の富が集中する」といったように、お金についても同様のことがいえます。

実は同様どころか「お金」に関しては、もっと極端な数字として表れます。国税庁の統計資料や数社のシンクタンクの資料を元に、独自調査によって算出したところ、「0.02%」のビリオネアが保有する金融資産は「約50兆円」。日本の国民全体が保有すると推定される金融資産は1460兆円(2008年9月末)ですから、その「約3%」となります。

わずか3%と思われるかもしれませんが、この数字は、日本の年間の税収とほぼ「同額」。この金融資産をビリオネアの人数で割ると、ひとり当たりの平均資産は「約20億円」にも及ぶのです。さらに、ビリオネアの大半が、資産のすべてではないにしろ、直接もしくはプライベートバンクや顧問運用先を通じて金融商品を保有し、金融市場で運用をしています。

株式や為替の世界ではよく、「金融市場で運用されているお金が実体経済と乖離している」などといわれます。例えば、世界の年間のGDP合計は「約59兆ドル(2010年4月末)」ですが、金融市場で取引されているお金はその8倍以上の「500兆ドル」とされています。

つまり、ビリオネアの持つ金融資産も、金融市場では数倍以上のレバレッジがかかっている可能性が高いのです。

■ 富裕層ビジネスは、究極のOne to Oneビジネス。マスで捉えると必ず失敗する

富裕層ビジネスで成果を出していくためには、富裕層のことを深く知り、理解することが不可欠です。しかし、富裕層を金融資産1億円以上、年収が3000万円以上の人といったような括りの中でビジネスを展開しても成果をあげることはできません。

富裕層といっても、例えばミリオネアとビリオネアと分けただけでも、両者の生活様式、価値基準、趣味・嗜好等は全く異なります。

富裕層はマスで捉えていては必ず失敗します。私は富裕層ビジネスとは、One to Oneビジネスの究極を極めていくことだと思っています。そしてこれを研究、実践していくために、「富裕層ビジネス研究会」を立ち上げました。

One to Oneビジネスの究極を極めていくことは、富裕層ビジネスを実際に行っている企業にとってもハードルが高いものとなっています。しかし、この大きな課題を制した企業のみが富裕層ビジネスにおいて大きな成功を勝ち得るのです。

そしてその成功とは、単に企業収益の大きさだけではなく、今後の企業のあるべき姿、企業が永続していく上で、顧客、社会とどう対峙していくべきかという方向性をも明確にしていくことができると考えています。