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どんな住宅リフォーム会社を選べば安心できるか~生き残る会社と市場を去る会社の違い~

■ 「新成長戦略」にも盛り込まれたリフォーム市場の規模倍増計画

以前の記事において、ハウスメーカーや住宅設備メーカーの主軸が新築市場からリフォームにシフトしていることを、その背景などとあわせて紹介した。

2010年6月18日に閣議決定され、発表された『新成長戦略』(経済産業省ホームページからダウンロードできるので、ぜひ参照されたい)の27ページに、「ストック重視の住宅政策への転換」 の節があり、その中でも、その柱となる政策として、“中古住宅流通・リフォーム市場の規模倍増”が挙げられている。

ここでいう“倍増”とは純粋な2倍というより大幅拡大といったニュアンスなのだろうが、今のリフォーム市場(約6兆円弱)を2倍すると、12兆円の市場規模となり、かなり大きな産業になる。政府がどんな施策を行い、どれくらいのお金をかけるかなど、具体的なことは明確ではないが、消費者はもちろん、関係する業界も恩恵を受けるだろう。

しかし、この新成長戦略の中に少々気になる一文がある。それは、「消費者が安心して適切なリフォームを行える市場環境の整備を図る」(28ページ:上段)というフレーズだ。

これは、行政府の認識として、「リフォーム市場が未だ安心して適切なリフォームを行える環境ではない」ということなのだろう。確かに5年位前には“リフォーム詐欺”が横行し大きな社会問題となった。契約を迫られ、脅える高齢者などが被害にあった(これが先の、「安心して」にあたるのだろう)。

また、現在でも“そんなに大掛かりなリフォーム工事は必要ないだろう”というような工事を契約させるなどといった、不適切リフォームが行われていることもあるという。

新成長戦略にあるように「住宅を作っては壊す、から、良いものを作ってきちんと手入れして長く大切に使う」(28ページ)という観点に立って自らが所有する住宅のことを考えた場合、住宅所有者は築10年目以降くらいからは、幾度となくリフォーム会社と接点を持つことになろう。

大掛かりな工事をすることも長い何月の間に1回くらいはあるだろうが、たいていは小刻みに工事を行うことが多い。そうすると、安心して頼める(お抱えの)リフォーム会社を持つことのメリットは大きい。

■ 安心して付き合える住宅リフォーム会社の条件

では、どんなリフォーム会社を選べばよいのだろうか。

[1] その会社と長く安心して付き合えるか(つまり、安定経営か)

なんと言っても、これが重要だ。

言うまでもないが、住宅の維持管理は数十年以上に渡る。初めてリフォームが必要となってくるのは、新築の場合、築7~10年目くらいからで、以降数年おきくらいの頻度で何らか(内容の大小問わず)のリフォームが必要となる。そして、20年~25年くらいのときに大規模な改装をすることが多い。一般的な心理として、よほどクレームでもない限り、同じ会社に依頼する方が、“気が楽”であるから、15~20年の付き合いとなる。

そうなると、なんといっても、倒産せずに安定的に成長経営してくれそうな企業を選ぶのが確実だ。しかし、大手企業だけがいいというわけではない。創業から10年経たないようなリフォーム会社においても、顧客への思いが明確で、成長を続けている企業も見かける。

一方、大手企業(増改築・リフォーム部門)の中にも評判の悪い企業もあるようだ。こうした情報はネットで検索するとすぐにわかる。中小企業などよりも大手企業のこうした評判は(手厳しいものも含め)容易に得られる。

[2] 「営業担当者の集合体」か「会社組織」か

リフォーム会社の営業担当者は、業績連動給与(いわゆる歩合給)の会社が多い。ハウスメーカー系を除くと、大手リフォーム会社(大手企業のリフォーム部門)もたいていそうだ。このような状況では、営業担当者が自らの実績欲しさに暴走することも否定できず、以前のリフォーム業界を襲った悪評判はこうした“やんちゃ”な営業マンによるものだった。

同じ会社に依頼しても営業担当者によって大きくそのサービス内容(仕事ぶり)が異なり、個人営業の集合体としての会社組織のようになっていることは、長期的に付き合うことを前提に考えるとNGといえるだろう。

これは、会社として消費者に提供するサービスメニューが確立されておらず、こうしたことがクレームにつながる。また、こうした企業の社員は独立するなどの理由で、短期間で辞めることが多い。

このような企業か否かは、営業担当者と始めて接点を持ったときに、さりげなく聞くとすぐにわかる。あるいは、営業担当者から提出される、各種のパンフレットや見積などを見ると、業界に詳しくなくとも一目瞭然だろう。見積やプランが営業担当者から提出されたときには、その金額と内容だけに目を奪われてはいけない。その会社がどれだけ”会社組織“として経営しているか、を見定めたい。

この他にも、見るべき点はあると思うが、“なにはなくとも”のこの2つのポイントは抑えておきたい。

裏を返せば、10年後も生き残るリフォーム関連企業に必須の条件は、この2つと言える。

(1)急成長ではなく、安定的成長を目指す経営
(2)営業担当者まかせでなく、会社がサービスメニューの開発を行う仕組み

いずれにせよ、住宅リフォーム産業は、今後10年間で最も大きく成長拡大する産業の1つであることは間違いなさそうだ。

(この記事は2010/07/09に初掲載されたものです。)