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真のPMIを達成するために

今回は「ビジネススキームの変革」についてお話します。

以前、某アパレルチェーンの方とお会いした際に、このような話をお聞きしました。「客数がとれずに苦戦しているため客単価アップに取り組んできた。ところが、客単価も頭打ちになったので、やはり客数を上げたい。客数をアップさせることが我が社の最重要課題だ」と。

客数アップも重要かもしれませんが、成熟市場であることを前提に置き、既存ビジネスのボリュームアップだけでなく、ビジネススキームの変革にも目を向けるべきでしょう。

ビジネススキームの変革パターンは、収益構造の変更、ビジネスフローの変更、戦略的アライアンス(技術提携、ブランド提携)、チャネル政策(スクラップアンドビルド、新規開拓、リプレイス)、アウトソーシング、M&A(シェア拡大、ノウハウ吸収、インテグレーションシナジー、人材確保、不採算事業部門の切り売り)、ブランド政策(新ブランド立ち上げによるターゲット変更、自社ブランドの統廃合)、新規事業や新規分野の付加、取引先および取引内容変更など、やり方は様々あると思います。

ところが、組織は既存のビジネスモデルを継続する慣性が自然に働くため、なかなかダイナミックな変革に移行できないというのが現実ではないでしょうか。

しかし、どの市場を見ても成熟化しており人口減少・企業数減少というマクロトレンドが顕在化してきているため、これまでのように客数、取引先、契約件数、シェアなどを継続的に拡大し続けることは難しく、これまでの動きに固執すればするほど現場では苦戦を強いられることになります。

では、どのようにしてビジネススキームの変革テーマを見つけるべきか・・・。コンサルティング業界を例にとって見てみましょう。

実はコンサルティング会社においても、目立たないながらもビジネススキームの変革が進んでいます。
例えば、従来のコンサル機能以外に、以下のようなビジネス機能を持つコンサルティング会社があります。

①人的リソースの提供機能(コンサルタントの人材派遣など)
②業務提携機能(他企業のビジネスにコンサルティングを付加した展開、または顧客の共有化・紹介など)
③投資機能(インキュベーション、IPO、M&A、その他投資活動など)
④事業展開機能(有望な事業分野におけるジョイントベンチャー立ち上げなど)

なぜコンサルティング会社がこのような機能を持ち始めたのでしょうか。

見方は色々ありますが、①については市場ニーズへの対応と考えてよいでしょう。労働人口が不足していく中で、このニーズは徐々に増すという判断がベースにあると思います。
②については受注経路の効率的確保、③と④については独自ノウハウを活かした新たな収益源確保という目的がその背景にあります。

ビジネススキームの変革を行うためには、まずはこのように業界内のプレイヤーの「動き」とその背後にある「狙い」を観察し、自社の取り組みに遅れがないか、何が不足しているのかを俯瞰してみると良いでしょう。

どの業界においても、従来型ビジネスの継続だけでは成長余地が限界に近づいているため、ビジネススキーム自体にメスをいれていくべきではないでしょうか。
(この記事は2008年4月18日に初掲載されたものです。)

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。