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「富裕層」と「超富裕層」はこれだけ違う! ビッグビジネスの成功に向けた黄金律とは

一口に「富裕層」と呼ばれる人たちであっても、その考え方や趣味、趣向、お金の使い方、ビジネスのやり方、資産の作り方などには「大きな違い」がある。そして「富裕層」(ミリオネア)と呼ばれる人たちの中には、「超富裕層」(ビリオネア)と定義する必要のある人たちが存在する。

通常「富裕層」(ミリオネア)と呼ばれる人たちの定義は、以下とされており、日本には、120万~140万人規模で存在していると言われている。

 (1)世帯年収が3000万円以上
 (2)保有する金融資産(不動産を除く)が1億円以上

では、日本に「超富裕層」(ビリオネア)と呼ばれる人たちは、どの程度存在するのか。通常では、超富裕層(ビリオネア)と呼ばれる人たちは、保有する金融資産(不動産を除く)が10億円以上と定義される。

詳細な抽出方法まではここでは紹介できないが、私の研究会とも協力関係にあり、多くの「富裕層データベース」を保有する株式会社ランドスケイプ社の協力を仰ぎ、調査を行った。「職業属性」、「居住属性」、「社会的信用度」など、一時的な金融資産の保有だけに留まらず、複数の属性から富裕層の条件をポイント(点数)化し、我々独自の算出を行ったところ、日本には、「2万6386人」のビリオネアが存在していることが判明した。

富裕層ビジネスを考える際、ミリオネアを顧客にすることと、ビリオネアを顧客にすることは全く異なるアプローチが必要となる。そのため、富裕層ビジネスへの最初のステップとして、ミリオネア、ビリオネアそれぞれが「何を考え」、「どのように行動するのか」を把握することが重要だ。

今回は、これらの違いを、BSC(バランス・スコアカード)の戦略マップを用い、「ミッション」を含む、「財務の視点」、「顧客の視点」、「業務プロセスの視点」、「学習と成長の視点」から、独自の切り口で整理・分類をしていこう。

■ ビリオネアのミッション(=使命)は「ファミリーの永続的な存続」

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ミッションとはすなわち「使命」だが、この図では、ビリオネア、ミリオネアがそれぞれ、「何のために生きるのか」を示している。ビリオネアのミッションとは、「血を絶やさない」こと。つまり、「ファミリー(親戚を含む血縁関係者)の永続的な存続」ということである。

ビリオネアは単純に核家族的な「親子」を中心とした血縁だけに意識を向けているわけではない。親の兄弟、兄弟の家族、子供の家族やその近親者に至るまで、自分たちの親戚を含む幅広い血縁関係をとても大切にしている。

というのも、ビリオネアの場合、その途方も無い資産は一代で築かれたものではなく、過去、何世代にも渡り、守られ、増やされてきたものを受け継いでいるのであり、過去を知り、これから将来に渡って「先祖や家族の血を絶やさない」ことを幼少期から日常生活の中で意識的、無意識的に教育されている。

もちろん、一般の人達にとっても「家族」、「親戚」は重要であり、大切にしなければならないことであるが、ビリオネアの場合、普通の人が考えている以上に長い時間軸で物事を考えている。すなわち、自分の一生という時間軸よりも長いスパンで、ファミリーの永続的な存続というミッションのために自分の果たすべき役割、使命を考えている。ゆえに、ビリオネアにとっての究極的なミッションを私は、「ファミリーの永続的な存続」と定義している。

■ ミリオネアのミッションは「自分の価値の最大化」

一方、ミリオネアのミッションは、『自』を満たすこと、つまり「自分の価値の最大化」にある。ミリオネアにとっても「家族」は重要であるが、ミリオネアとビリオネアには大きな違いがある。その違いとは、ミリオネアの資産の多くが、基本的には「一代もしくは二代(親の代)で築かれたもの」という点である。また、ミリオネアの資産は、ビリオネアには到底及ばないため、ミリオネアの多くは、ビリオネアのステージを目指すことになる。

このように、資産を「受け継いでいる」のか、それとも「産み出している」のか、それによってミリオネアとビリオネアのミッションに違いが生まれる。

■ ビリオネアが資産防衛のために行うプライベートバンクの活用

『財務の視点』とは、ビリオネアやミリオネアがそれぞれの「ミッション」に基づき、ファミリーおよび顧客、従業員、株主、友人などの期待に応えた結果の「財務的な目標」を示すものとなる。

ビリオネアにとって「世代を超えて築いてきた資産の防衛」は最も重要な課題であり、ビリオネアは資産防衛に多くのお金を使う。その代表的な例が、「プライベートバンク」の活用である。

もともと、プライベートバンクは、11世紀から13世紀におこなわれた、「十字軍の遠征」に、その起源があるとされている。遠征に同行する王族や貴族の留守中に、その家族が所有する莫大な資産を守る必要性が生じたため、その資産防衛を「商業的」に行う人たちが現れ、それが現在のプライベートバンクに至っている。

プライベートバンクの発祥地として有名なのは「スイス」である。現在のスイスは「永世中立国」として平和のシンボル的なイメージがあるが、古くはフランス、イギリス、オランダなど、欧州の領土拡大のための戦争の際に傭兵として参加していた。スイスは精密時計に代表されるように、「技術力」が高い国であり、それが武力にも生かされ、戦争による莫大な報奨金を得る人も多かったため、彼らの資産を守り、運用する必要があったということである。

こうして培われた運用・保全技術の高さ、さらには「永世中立国」としての国家的な安定性の高さが後ろ盾となり、スイスには欧州中から王族、貴族、豪族のお金が集まった。

一方、ミリオネアは、「短期で築き上げた資産の拡大」をはかっていかなければならない。

「ミリオネアも資産を運用・保全する必要があるのだから、プライベートバンクに預けるのではないか?」と思われる方も多いだろう。しかし、プライベートバンクに預けるためには、非常に厳しい審査と、億単位からでないと預けられないという高い敷居が存在するため、多くのミリオネアは利用できず、基本的には資産を拡大するために、株式投資、不動産投資、海外分散投資などを行うことになる。

■ ミリオネアによる短期的な「収益性社会貢献」、ビリオネアの長期におよぶ「真の社会貢献」

本来のBSCでは、『顧客の視点』とは前述の「財務の視点」の実現のために、顧客に対して、「どういった商品や製品、サービス、付加価値を提供するのか」ということを示すものである。

私はこの視点に、「社会貢献」というキーワードを入れ、ミリオネアとビリオネアの比較の明確化を試みた。

まずは「ミリオネア」の例であるが、ミリオネアの中には収益目的の株式投資や為替取引といった投資活動、あるいは、一部公序良俗に反する活動などで収益を得た人たちも存在するが、基本的には、ほとんどのミリオネアが「社会貢献」をおこない、世の中に役立つ活動をしている。

よい製品を作り、安価に世に送り出して人々の利便性を高めたり、地球環境の改善に働きかけたり、教育をおこなって人間性を高めたりと、様々なものがそれに該当する。

その社会貢献が顧客に感謝され、世間から認められるからこそ「収益」が発生し、ミリオネアになれるのである。さらに言えば、ミリオネアは顧客に貢献することで「短期的」に収益を生まなければならない。

もちろん、最初から収益を当てにしたものではないかもしれないが、ミリオネアになっている人たちの社会貢献の多くは、その先で「短期的」に何らかの自分自身の収益やメリットと結びついていることが多いのかもしれない。私はこれを「収益性社会貢献」と定義している。

これに対し、ビリオネアは短期的に貢献した見返りを求めることは少なく、むしろ、将来的にすべてを受け継いでいく子孫のために「与えること」に重点が置かれた社会貢献を行っていることが多く、しかもそれは目立たずに、ひっそりと行われている。

ある知り合いのビリオネアの方はこう言われていた。「私は、自分の息子にいつも『こちらが与えてもらったら、その一部、場合によっては与えてもらった以上のものを、人や地域にお返ししなさい』と伝えています」と。

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実際、多くのビリオネアが自分の住んでいる地域や縁のある地域に寄付をすることはよくあるケースであり、私も、これまで多くのビリオネアの人たちが様々な理由から自分の資産を寄付する話を聞いている。そして、その大きな理由の1つは、今後もその地域でファミリーを存続させ、繁栄し続けていくために、より良い環境を残していく必要があるからということであった。

このように、短期的ではなく、長期的に与え続けることが、ファミリーの存続にとって不可欠であり、短期的には「ギブ・アンド・ギブ」に見えることであっても、長期的にはファミリーの存続という大きなテイクを得られることを、ビリオネアは本能的に知っているのかもしれない。

私はこれを「真の社会貢献」と定義している。

さらにビリオネアは、「文化・芸術」にも多くのお金を使う。オーケストラの創設にはじまり、劇団や美術館、音楽ホールなどが、ビリオネアによって建造されたというニュースも多く聞かれる。

最近の例としては、軽井沢に2005年に設立された「大賀ホール」があげられる。ソニーの名誉会長である大賀典雄氏が16億円を投じて作り上げたホールで、オーケストラの演奏が満遍なく響き渡るように5角形をした音楽ホールであるが、大賀氏は毎年1回、この自分で作り上げたコンサートホールで指揮することを人生の楽しみの1つとしている。

■ 目立つことを選ばない「黒幕型」、露出で資産の最大化をはかる「教祖型」

業務プロセスの視点とは、前述の「財務の視点」、「顧客の視点」の実現のために、必要な手段や、その実現へ向けたプロセスを明確にしていくことである。顧客の視点の実現に向けてビリオネアが取るプロセスとは「黒幕(フィクサー)型」のアプローチである。

ビリオネアというファミリーを作った創始者の場合は、どうしても名前が露出する。しかし、資産を受け継ぎ、守っているビリオネアは、できる限り自分の名前が表に出ないように行動する。特に、テレビや、インターネット等により、情報露出の機会が格段に増えている現在では、ビリオネアはこれまで以上に「ひっそり」と目立たないように行動することに注力している。

なぜなら、彼らは目立つことのメリットよりも、そのデメリットの方がはるかに大きいことを知っているからである。残念ながら日本では「お金持ち」はネガティブな感情を抱かれやすいため、ビリオネアは自分が目立つような行動をとれば、それが嫉妬の対象となり、犯罪や世間からの中傷に巻き込まれる可能性が高まり、守らなければならないファミリーが危険にさらされる可能性すらあると考える。

こうした事情から、ビリオネアは自分自身が目立つのではなく、自分以外の、「これは」と思った「人」に思い切った投資をすることも多い。ビリオネアは、短期的な収益よりも長期間の継続した収益をもたらす仕組みを、自分が表に出ることなく作り上げることを重要視する。

これに対して、ミリオネアが取るプロセスは「教祖(カリスマ)型」のアプローチとなる。カリスマという言葉には「神秘的」、「神の賜物」、「非人間性」といった意味があるが、私はリーダーとして大々的に露出して周囲を巻き込んでいくという意味で、この言葉を使っている。

基本的に、ミリオネアは自分が露出して、資産の最大化を図らなければならない。もちろん、家族や親族を守る必要もあるが、いざとなったらゼロになっても再スタートを切れるだけの力を持っている人たちでもある。つまり、「失うものなど何もない、また一から作ればいい」と思える人が多いことも、積極的な露出につながっていると言える。

また、ミリオネアは露出することによるメリットを重視する。そのメリットとは、資産を拡大するに当たっての「販路の拡大」と「優秀な人材の確保」であり、露出する機会が増えれば、それだけ多くの人から興味、関心を持ってもらえるのでサービスの販路が拡大し、採用をおこなう際も、多数の人が集まりやすくなるため、その中から優秀な人材を選ぶこともできるようになる。

逆に言えば、ミリオネアが黒幕的に動こうとしても相手がこちらを知らないので、信用を得難く、向こうから優秀な人材が集まってくることは期待できない。

さらに、ミリオネアの多くは「個人」ではなく、「企業」に投資をおこなう。一時期「M&A」という言葉が出回ったように、企業買収をしたり、出資して株主名簿や会社概要に名前が掲載されることで社会的な信用を高めたり、企業グループを作って相乗効果をもたらし、短期間で上場させて、その配当や株式売却益を得て会社を拡大させるといったことはその典型的な例である。

■ ビリオネアとミリオネアの大きな違いは「教育」に表れる

学習と成長の視点とは「業務プロセスの視点」を達成するための「土台」を作ることを意味する。

ビリオネアとミリオネアの場合、その土台は他の「富裕層」に関する書籍、記事などでもよく紹介されるように、主に次の5つのポイントで構成される。

 (1)「教育」
 (2)「健康」
 (3)「アンチエイジング」
 (4)「セキュリティ」
 (5)「エンターテインメント」

それぞれの細かい説明は今回、割愛するが、この5つのポイントの多くはビリオネアとミリオネアの双方に共通している。しかし、「教育」には大きな違いが出るのではないだろうか。ビリオネアは「教育」において、「歴史」を重要視する。過去の歴史の中で自分達ファミリーがどのように成り立ってきたのかを学び、それによって、先祖への変わらぬ感謝の精神と、それを後世に伝えていくことで、今後のファミリーの存続と繁栄に向けた意識づけを行っていく。

さらに、世界の「宗教」や「言語」についても積極的な教育がなされる。たとえ自分の家が仏教であっても、キリスト教の聖書について学び、英語やフランス語なども、日常的な会話に困らないレベルにまで使えるように教育を受ける。そのため、子息子女を海外留学させることも多い。これらは、自分たちが世界のビリオネアと多くの場で接点を持つ機会があるため、彼らの精神や思考、文化を知る上でも、その一つの手段として宗教と言語は欠かせないと考えている。

一方、ミリオネアも教育にはお金をかけるが、子孫に対して徹底するというよりは、基本的に自分の価値を高めるための「自己投資」としての比重が高い傾向にある。あるミリオネアは、自分の2人の息子をそれぞれ海外に留学させているが、その主な目的は子供の教育もさることながら、自分自身のネットワーク、つまり親同士のネットワークを子供の学校を通して広げることであった。そして、ここで培った親同士のネットワークで、海外への事業進出の足がかりを作った。

ここまで「富裕層」をミリオネアとビリオネアに分け、それぞれの思考、行動様式、価値観を述べてきたが、これを知ることは、富裕層ビジネスを成功させることだけに留まらず、閉塞感が漂う昨今の日本において、企業が、景気、不景気に左右されず、お客様の心をつかむための「断れない提案」を実現し、既存のビジネスの拡大や、新規ビジネスを成功させていくためのヒントも多く隠されているのではないかと考えている。