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あなたのマンションの管理は大丈夫? 管理次第で資産価値は半減する!~マンション管理業界のこれからを読む~

前回掲載をした「2010年マンション価格はここまで下がる」は、様々な方面から大きな反響があった。首都圏はもとより、日本各地の大都市においてマンションに住む人の割合がとても多いからだからだろう。

“いつかは一戸建てに住みたい”という人の割合が減り、「一生マンションに住み続けるつもりだ」と言う人も多いのも現在の潮流だ。

ちなみに、日本の政令指定都市上位5エリアのマンション化率は以下のようになる。
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これを見ると、ある規則に気付く。港町、貿易の町として発展した街が多いということだ。特に、古くからの港町である神戸(神戸港)や福岡(博多港)は、800年以上も前から使われている港だ。両都市とも背後に山がそびえ、海岸で大きな船が出入りするための十分な深さがあった、いわば“天然の良港”といえよう。古くからの港町=近くに山がある、坂が多いという構図だ。

こうした港町、つまり山と海に挟まれた狭小な土地に多くの人が住む地域ではマンションの比率が高い。とくに、福岡市のマンション居住率の高さは有名で、3.6世帯に1世帯の割合でマンションに住んでいる。

■ 分譲マンションで心配な「マンションの管理体制」

ところで、海の近くのマンションでは、塩害の影響はないのだろうか。コンクリートなどの劣化が早いのではないだろうかと心配になる。海に隣接するマンションに住む知人から、こんな話を聞いたことがある。

「景色は最高だけど、ベランダにおいているウッドデッキやチェアーなどはあっいう間にやられたよ。マンションの修繕積立金を納めているのだけど、今のままで充分な金額なのだろうか。管理を委託している会社はメンテナンスをしっかりとしてくれているのだろうかと不安になる」

“一生住むつもり”で買ったマンションでも、多くの人が気になることが2つあると言われている。1つは「住民間のコミュニケーション」、そしてもうひとつが今回のテーマである、「マンションの管理体制」だ。管理状況はマンションの資産価値(その後の売却など)に、大きな影響がある。

■ 管理会社を途中で変更? 独立系マンション管理会社の台頭

分譲マンションでは管理組合が存在し、基本的に全住民はその一員となる。そして、組合員の総意で特定のマンション管理会社に管理費を支払い、管理を委託する。また、共用部(外壁・廊下・エントランスなど住民全員で使う部位、共有資産という扱い)における将来の修繕費用のため、予め積み立てておく修繕積立金を管理組合が集め、それを実際に管理しているのもマンション管理会社だ。

新築物件として発売されたマンションを購入するとき、マンション管理会社を選ぶことは事実上不可能だ。予め指定された(主に、ディベロッパーの系列会社、関係会社)会社が購入したマンションを管理することになる。そして、その管理会社が半永久的にそのマンションを管理するということが一般的だと思われてきた。

しかし、世紀を越えた2001年ころから、変化が訪れた。マンション管理会社を変更するマンション管理組合が増え始めたのだ。管理組合の規約にもよるが、大雑把に述べると組合員の2/3以上の賛成があればマンション管理会社を変更することが出来る。それまで、マンションディベロッパー系列の管理会社が、親会社の建てたマンションを管理するという構図が崩れ、いわゆる独立系マンション管理会社が台頭してきたのである。

これらの企業は、マンション組合に対して積極的な営業を行い、管理業務を変更受注した。この業界内で言う“リプレース営業”が現在益々さかんな状況になっている。

■ 年々増える修繕積立金! 支払い不能になると資産価値下落も

マンション管理の業務は主に清掃・警備・維持管理などである。通常のこうした業務の委託費用は、10000円~13000円/月 程度が一般的だ。そして、修繕積立金は新築入居時に一時金を納めた後、修繕積立金を11000円~15000円/月 程度 払い続ける。

しかし、最近ではマンション販売時に月々支払う総額(これらの費用+住宅ローン)を落とすために、修繕積立金を低く設定する場合が多く見られる。マンションディベロッパーが管理会社に働きかけ、(マンション管理会社は受け入れたくないのだが)、管理会社はその言いなりとなり、受け入れているようだ。

最近見た例では、初年度~5年間は8000円/月 に設定し、その後5年ごとに見直し、最終的に2.5万円となる設定だった。つまり、最終的には初年度の3倍以上の修繕積立金になるのだ。こうしたことはパンフレットなどには謳われておらず、営業マンに聞いて初めてわかったことだ。これでは、住宅ローンをギリギリで組んだ住人は、支払い不能に陥る可能性もある。注意して購入しなければならない。

実際に、修繕積立金を支払えなくなる方も少なくない。修繕積立金の値上がりと住宅ローン段階的な金利アップが重なると、特に厳しくなるのだ。1つのマンションでこうした住人が10%を越えると、築10年くらい経てば定期的に発生する修繕費用の捻出が厳しくなる。

このような状況に陥ると、マンションの資産価値は一気に下がるので要注意だ。

とはいうものの、実際は、自らの所有するマンションの管理会社についてあまり気にしたことがない方が多いのではないだろうか。また、マンション管理会社の活動状況がわかる管理組合総会に出席したことがない世帯主の方も多いのではないか。これからは、今よりも少し意識をしていただきたいところだ。

■ 収益の確実性の高いマンション管理ビジネスの今後

さて、最後にマンション管理市場について、さらに業界についてのこれからを予測してみたい。この予測は業界関係者だけでなく、分譲マンションを購入し、そこに住む人々にも、役に立つはずだ。

【絶対的な成長分野である分譲マンション管理ビジネス】

船井総合研究所リアルエステートビジネスチームでは、分譲マンション管理市場の市場規模を約4300億円と予測している(2008年度分)。マンション管理市場は新規供給戸数によりその成長は左右されるが、ストックビジネスの性質上、堅調に上昇を続ける。また、古いマンションで時折見かけられた自主管理物件が委託管理物件に移行していること、ハイグレードサービスを付加することによる単価アップなどもあり、市場規模はさらに拡大し続けるだろう。

【M&A市場のスターであるマンション管理会社】

譲マンション管理会社は、その管理戸数がある一定数を越えると、確実な収益が見込める。住宅・不動産関連分野は、収益性に波があるビジネスが多いが、マンション管理事業収益の確実性は群を抜いている。そのため、常にM&A市場において常に買い手が売り手を捜している状況だ。

私の元にも、多くの企業からマンション管理会社を“買いたい”という相談が来る。まさにスター的な存在である。

では、実際に近年の分譲マンション会社のM&A事例を掲載する。
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単純計算で1戸あたり7~9万円が相場のようだ。親会社であるディベロッパーの経営状況が行き詰ることで譲渡された企業、そして単独で収益が上がりにくい管理数3000戸の企業が多い。

次にマンション管理会社のシェアの変化であるが、上位50社のシェアは1995年から2008年に5%以上増え、63%にものぼる。
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しかし、ある信託銀行のM&A担当者は、「ここにきて、大手も資金的余裕がなくなり、買い意識は減ってきているのではないか」と語る。

このように、マンションディベロッパー業界の寡占化・再編などに加え、業界内の競争激化、マンション組合からの値下げ圧力を“規模の経済性”での合理化の追求、顧客の大手思考、そしてM&A、これらのことからますます寡占化が進むことだろう。

最後に、分譲マンション住人のマンション管理会社への視線がますます厳しくなることも付け加えておきたい。

(この記事は2010/03/19に初掲載されたものです。)