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エンドユーザーを見据えたマーケティング力・企画力の強化手法(1)[マーケティング戦略・営業戦略]

メーカー、その中でも特にエンドユーザーに直接製品を販売していないが、エンドユーザーの購買行動に影響を与える素材を生産している素材メーカーのマーケティング力・企画力の重要性についてお伝えいたします。

従来、このような素材メーカーは業界により多少の違いはありますが、納入先である消費財メーカーからの企画指示に基づいて忠実に製品化し、いかに安く・速く・品質良く供給できるかを問われてきました。しかし、中国などの競合メーカーが実力をつける中でコスト・リードタイム・品質面での差別化が難しくなってきているのが現状です。

更には、昨今の業界構造の変化・エンドユーザーニーズの多様化により、段々と消費財メーカーが自社で製品を企画する力が衰えてきている傾向が見られます。
例えばアパレル業界の場合、従来はアパレルメーカーの担当者が自ら製品企画をするプランナーであり、素材メーカー・縫製メーカーなどは忠実にその企画を製品化することを求められていました。しかし、昨今はアパレルメーカーの担当者はセレクター化してしまい、素材メーカー・縫製メーカーなどから出された提案オプションの中から製品化を進めていくようになってきています。

このような変化の中で素材メーカーに求められるのが、従来の消費財メーカーの要望に対する製品化力に加えて素材メーカー自身からの提案力になります。
例えて表現すれば、これまでは規定演技型パフォーマンスの中でコスト・リードタイム・品質面を競っていたのに対し、これからは更に自由演技型パフォーマンスが求められ、そこではエンドユーザーを見据えた提案力が差別化には必要となってくるのです。私が以前在籍していた自動車メーカーでも、開発段階の中で素材メーカーからの提案を受けるステップをわざわざ設けるほど、素材メーカーのもつ提案力を重視する姿勢がありました。

そして、この提案力の中で特にポイントとなってくるのがエンドユーザーに対するマーケティング力・企画力です。メーカーとして求められる提案力とは、単に製品を売り込んでいくための営業力・プレゼンテーション力ではなく、自社のコア技術をいかに有効に利用し、自社に優位な企画提案を行えるかがポイントであり、それを導くのがマーケティング力・企画力と言えるでしょう。

但し、エンドユーザーを見据えたマーケティング力・企画力を強化すると言っても、これまでそのようノウハウを蓄積していない素材メーカーが、実際に実行していくことは簡単なことではありません。事実、組織としてマーケティング部などの部署を設置しても、有効に機能させることができていない企業も多くあります。

それでは、具体的に素材メーカーがマーケティング力・企画力を強化するために、どのようにエンドユーザーニーズを吸い上げる手法があるでしょうか?
私どもが、これまでのコンサルティングの経験の中で見てきた手法としては以下の4点が挙げられます。

1自社で消費者モニターを組織化し、定期的なモニターインタビューを実施する
2自社独自でエンドユーザーの購買行動などに関する定点観測・調査を実施する
3外部の調査会社を利用し、展開事業に関するエンドユーザーの嗜好を確認するWEB調査などを実施する
4自社が海外展開などしている場合には、グローバルでの市場の動きを自社・もしくは外部機関を利用して集積し、最先端のトレンドを把握する

上記のような手法によりエンドユーザーが顕在的および潜在的に求めているニーズを洗い出した上で、自社のコア技術の利用・開発を進め、消費財メーカーに提案企画するというサイクルを回すことで、素材メーカーは確実に自社主導でビジネスを進めることができると言えます。
(この記事は2008年3月17日に初掲載されたものです。)