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これからの不動産ビジネスの行方と対応策

日本は資産=不動産と捉えるほどの不動産国家です。

昨今、日本の不動産業界は欧米と比較して捉えられがちですが、限られた国土という意味で日本人が不動産に見出す価値観を踏まえると、単純な比較が難しい側面もあります。

また、これまで日本は不動産=土地という考え方が一般的でした。同時に、新築の着工によって経済効果を期待してきましたし、供給過剰の現状を生みました。
中古よりは新築であり、新築を買えないから中古といった日本人独特の価値観も相俟って、実質中古住宅にスポットが当たることがこれまでほとんどありませんでした。

しかしながら、中古住宅の成約数という数だけを見る限り、昨年のリーマンショック以降、急速に増加している傾向が見受けられます。

価格は新築住宅との価格バランスもあり、下落の一途を辿っています。中古住宅市場においては、このような価格の下落基調や経済の不透明感から逆に供給が追いつかず、完全に需要過多となっているようです。

さらに今後は不動産=土地という考え方が一転、建物価値に見直しが入り、それにより中古住宅の二極化が起こります。つまり、従来の考え方である、住んだ瞬間に中古→建物価値が減少→築25年程度で建物評価額がつかなくなる、“価値ゼロの住宅”と、価値の落ちないいわゆる“長期優良住宅”との間のレンジがますます開きます。

土地がなければ建物は建ちませんので、そういう意味では土地は不動産の主体をなすものですが、建物の物理的、社会的寿命の長短は不動産の収益性に直接的な影響を及ぼします。不動産のキャッシュフローを左右するのは、明らかに土地ではなく建物なのです。

今後、不動産の価値は、収益還元法という不動産が生み出すキャッシュフローによって決定されるという欧米と同様の鑑定評価手法が前提となる以上、不動産は建物を中心に評価せざるを得なくなります。

これから建物が不動産の主役となる時代が確実にやってきます。つまり、建物の知識が、広く不動産業界にとって必要となってくるということです。
今年に入り、不動産仲介会社の競合がローコストメーカーや住宅会社といったように業種の混在が目立つようになりました。

これまで不動産業界は消費者との温度差の中で商売を成り立たせていた感がありますが、これからますますごまかしのきかないホンモノの時代に突入しそうです。