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消費者から選択される企業(店舗)へ[マーケティング戦略・営業戦略]

昨年からの世界的な不景気から約8ヵ月が過ぎようとしていますが、今もなお厳しい状態が続いています。

特に消費者の買い控えを直に受ける小売・流通業界は、駅ビル業態で2~3%、大型SCで5~10%、百貨店(特に地方百貨店)においては20~30%の前年比マイナスとなっています。唯一伸びている業態が、アウトレットであり、専門店業態もユニクロやABCマート等、一部の企業を除いて厳しい状態が続いています。

しかし、厳しい状態が続いていると言っても、購入客が全くいなくなったわけではありません。より価格や品質に対する目が厳しくなり、購入する企業(店舗)を選んでいるという表現が正しいでしょう。

現に、入店客数の減少よりも、購入率(入店客のうち何割が購入しているか)の減少の方が大きい店舗が多いのではないでしょうか。
このような状況の中、重要となってくるのが、消費者から他社(他店)よりも自社(自店)を選んでもらうことです。

選んでもらうためには、消費者のニーズを捉えることが重要であり、その肝となるのが「価格」と「品質」になります。

「価格」とは、いわゆる商品そのものの金額になります。「同じ商品がいかに安いか」です。アウトレット業態やネット通販が伸びているのを見ればその重要性がわかります。

一方、「品質」については業態によって異なってくるでしょう。どの店舗でも同じような商品を取り扱う、家電量販店やCDショップ、コンビニ等では、品揃えが大きな要素となってくるでしょうし、より商品で差別化が困難なパチンコホールでは接客力が肝となります。反対に飲食店やアパレル等では商品自体が重要となってくるでしょう。

先ほどのABCマートが強いのは、どの商圏であっても、ほとんどの店舗が最も品揃えが豊富であり、かつ価格が安いところにあります。そしてそれを店舗全体、販売員含めて表現しているところでしょう。

しかし、ABCマートのように、既に店舗開発力や仕入力が強い企業ばかりではありません。

そのような企業が消費者から選ばれる為に必要なのが「絞り込み」です。価格や品質を強化する部分を、現状の自社の強みや消費者のニーズに合った部分に絞り込み、そこを重点的に強化することです。

それではどのように絞り込む部分を決めるのでしょうか。

一般消費者や自社顧客へのユーザアンケートやグループディスカッション等、様々な方法があるかと思いますが、一つの手法として、船井総研では自社(自店)含めた競合調査を行うことがあります。

今回は最後に、簡単な調査にて店舗リニューアルへの方向性を検討できた事例をお伝えします。
ケース:自店舗、および競合店舗の商品力調査

【背景】
同一商圏内に自店舗含めて3店舗が存在しており、売上増加に向けた次年度の店舗リニューアルに向けて、自店舗、および競合店舗の現状分析を行った。

【調査内容】
各店舗の商品数と時間帯別の客数調査。3店舗に来ている客数を時間帯ごとに調査。フロア別×属性別(男女、年齢、組数)にカウントすることで、自店舗の強い時間帯や評価されているフロア、客層を把握。

【結果とその後の展開】
全客数においては競合店舗に負けていたものの、特定のフロアにおいては特に夕方以降の帰宅途中のサラリーマン層に支持されていた。また、ピーク時である休日の夕方における集客フロア(1階)の客数が競合店舗と比較し、極端に少ないことも判明。

従って、リニューアルに向けて、集客フロアと評価されている特定フロアにおける品揃えと面積拡充、および両フロアにおける定番商品の価格引き下げを視野に入れた施策を検討。
ぜひ皆様の企業(店舗)でも、このような時代だからこそ、消費者から支持を得るために何を強化するべきなのか、一度検討してみてはいかがでしょうか。