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不況下こそ、強みを知り、生かし、強化する

先の見えない不況下で、縮小とも取れる改革ばかり進めている企業は少なくありません。縮小ばかりの改革は、社員の意識・モチベーションが低下し、結果的に改革がうまくいかないことが多いように見受けられます。不況下こそ同時に強みを活かした、「成長」に向けた改革も必要です。

自分の能力、特徴を客観的な視点から理解することは、自己の成長のために必要不可欠です。それを知る手段として、リサーチ会社として世界的に有名なGallup社の開発したストレングス・ファインダー分析が最近再び話題になっています。「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」(日本経済新聞出版社)を購読し、ホームページにてテストを受けると人の強みを34個に分類した中から、自分の強み上位5位を教えてくれます。

テスト結果そのものも興味深いですが、著書には、「弱点」にばかりフォーカスをしてきた心理学や行動学の研究とは逆に、「強み」を発見し、組織のメンバーの「強み」をどう生かすかという観点で書かれている点においては、不況下の厳しい市場環境に喘ぐ企業の組織活性化のヒントになりそうです。
世界的な不況の影響を受けて、多くの企業が不採算部門の切り捨て・縮小や人員削減、賃金カットなど改革を急速に進めています。

不況から脱却するために消極的、縮小による改革にばかり推し進めがちですが、もともとの「リストラ」は「再(Re)構築(structuring)」というように、ビジネスモデルの再構築を意味します。そういった観点では、不採算部門、非効率部門の削減やアウトソーシングによるスリム化だけではなく、成長部門や新規部門などを強化、育成することもリストラと言えます。

先の見えない不況下で、縮小とも取れる改革ばかり進めている企業は少なくありません。縮小ばかりの改革は、社員の意識・モチベーションが低下し、結果的に改革がうまくいかないことが多いように見受けられます。経営陣は、「弱い部門」「弱い人材」探しに奔走し、社員は、次は我が身かもしれない人員削減に恐々とし、兼務の増加により効率性が低下し、賃金カットによる生活不安から将来性が不透明になります。業界の安さ、早さ、質に応えようとさらなるコスト削減が続くほど社員は疲弊していくように見えます。

こうした不況下での縮小改革は、「強み」を発揮する機会が失われ、結果的には企業の「人」という資産のすり減らしになりかねません。
不況下こそ「縮小」だけではなく、同時に「成長」に向けた改革も必要です。社員の強みを知り、強みを生かせるポジションへの配置やマネジメント体制を構築し、さらに強みを磨き上げていくことです。ポジティブな環境に社員が身をおくことで意識やモチベーションは向上し、会社が活気づき、成長へとつながっていくと考えられます。

不景気の背景に違いはあるものの、97年からの不況を脱却してきた企業は、縮小と成長を同時に進めてきている特徴があります。またこの不況下でも「成長」を意識している企業ではストレングス・ファインダーを用いてコーチングやマネジメント研修を実施し、組織の活性化を進めています。

船井総研でも、短所是正よりも長所伸展と言われています。不況下こそ、企業の強みを見つめ直し、強みを生かし、強化すべきです。そのためには企業を構成する社員一人一人の強みを見つけ、伸ばせる環境を整え、強化することで必ず発揮してくれることと思います。
(この記事は2009年4月24日に初掲載されたものです。)