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「戦略が浸透しない」中核問題を探る

■ 戦略はあるのか? 無いのか?

「うちの会社には戦略が無いんですよ!」

これまでコンサルティングの依頼を受けた殆どの企業で聞いてきた社員の皆さんの声です。果たして本当にそうなのだろうか? と思いながら、ひと通り社員の方々のインタビューを終えた後でトップの方とお話しする訳ですが、“やはり”というか“当然”というか、殆どのトップは明確な戦略を持っています。しかも、トップの方々は「戦略を立てても浸透させるのが難しくて具現化に至らないんだ」といった悩みを一方で抱えています。

なぜ、このようなギャップが生じてしまうのでしょうか?
■ トップの視点

まず「戦略が浸透しない」というトップの視点で問題を整理すると、

【1】 掲げている戦略が理解されていないように感じる
【2】 具体的な現場の動きとして反映されていない
【3】 現場はこれまでやってきた業務を引きずっている傾向が強い

以上3つが主だったものだと考えられます。が、そもそも【1】をクリアしなければ戦略の浸透はありませんし、例え【1】をクリアしていたとしても【2】【3】のハードルをクリアすることが不可欠です。

とは言え、中核問題として捉えるべきは【1】とすべきだと思うのですが、これが冒頭の「うちの会社には戦略が無い」と言う社員の方々の声を打ち消すものであるのかどうかは疑問の残るところです。

と言うのも、そもそも社員サイドの問題認識は、「自分の会社の“戦略”を知らない」ということであり、上記に整理した問題以前の話だと思われるからです。

■ 現場の視点

そこで、一方の「戦略が無い」の視点で問題をあげてもらうと、

【1】 “戦略”が明確には示されていない
【2】 幹部クラスはそれぞれが異なる見解を持っていてバラバラ
【3】 トップ・幹部の判断でやるべきことがコロコロ変わる

といった項目に整理されます。つまり「戦略が無い」という声に対する中核問題は、“戦略”はあるという前提にたつと、『コミュニケーションの悪さ』に集約されるという結果が出てきました。【1】は「ある」はずのものが伝わらずに「ない」という認識をされてしまっているコミュニケーションの問題ですし、【2】に関してもトップと幹部クラスの“戦略”に対する認識の違い、即ちコミュニケーションの問題ということになります。【3】については少し意味合いが異なるものの、「コロコロ変わる」を指しているのは“戦略”そのものでは無く“戦略”を具現化させるための手段だと思われますので、【1】【2】の問題との因果関係で整理できる問題だろうと思われます。

■ 中核問題はコミュニケーション?

よって、「戦略が浸透しない」という問題を抱えている企業の多くはコミュニケーションが不足している、というのが今回の整理から出てきた答えになります。

しかしながら、「コミュニケーションを改善したら戦略が浸透するのか?」という問いかけには疑問符がつくところです。なぜならば、これは即ち「“戦略”の存在を示し理解させられれば、戦略は浸透する」というように解釈することができ、とても多くの方の共感を得られるような答えになっていないと思われるからです。

紙面の都合上、このまま続けるのにも無理がありますので、機会をあらためてコミュニケーション不足からの深堀りをしてみたいと思います。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。