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真の“コト売り”を実現する[マーケティング戦略・営業戦略]

数年前から“コト売り企業”としてオートバイ業界のハーレーダビッドソンジャパンが成功事例として多く取り上げられていることは、皆様もご存知かと思われます。

“コト売り”自体は、ある世界観、ライフスタイルを達成したいという顧客心理へ、売り手が売場(売り方)、その他イベントの演出によって歩みより、モノ・サービスへの購入を促すというアナログな手法であり、他の業界含め幾多の企業が先んじている可能性もあり、また多くの企業が追随していることが想像できますが、その中でもハーレーダビッドソンジャパンは

・ 国内の自動二輪車750cc以上の市場で2000年から現在までトップシェアを継続
・ 27年間凋落する産業(全自動二輪車市場)で2008年まで24年間連続成長

の偉業を成し遂げ、真の“コト売り企業”として業界内での存在価値を高め続けているのです。
ちなみに、オートバイ業界は27年前の約329万台の登録台数をピークに衰退の一途をたどり、現在では70万台の登録台数を下回るほど低迷しております。

その中で、ハーレーダビッドソンジャパンが持つ750cc以上の市場は97年の免許改正により、97年に4.3万台の登録台数と前年比150%以上伸長し、98年にも5.2万台と連続成長を果たしながら、その後低迷し2002年以降4.4万台と均衡状態が続いております。

私がオートバイ業界を見てきた中で、既存顧客の囲い込みは非常に有効な手段と考えられていましたが、ハーレーダビッドソンジャパンの偉業継続が成される理由としては、HOGと呼ばれるオーナーズクラブ基盤を成立させたことはほんの一部であると感じております。

それ以上にバイク初心者と女性層を取り込むために、ターゲットに応じた雑誌その他メディアの活用、イベントにおける初心者向け講習やパウダールームの設置、教習費援助による大型免許促進のなどのプロモーションを通じて、オーナー比率で8割の新規顧客を獲得し続け、オーナー世代を好循環されていることが、結果としてトップシェア・連続成長に繋がったのだと考えております。

価格面でも国産バイクの2倍の価格で売れると言われるハーレーは、価格設定も入門層をターゲットに国産メーカーに対抗できる100万を切るものから、ザ・ハーレーのような300万円オーバーのものまで、実は抜け目がないほどのマーケティング網が張り巡らせたのです。

もちろん、ハーレーダビッドソンの存在自体がオートバイというカテゴリーの中でもブルーオーシャン的な資質を備えており、ブランドロイヤリティも高いことを考えると競合と十分な差別化要素があったことも成功要因の一つでしょう。

さらには、2000年に入って国内メーカーが販売チャネルを統廃合させる以前に、チャネル整備での優位性を保てたこともあるでしょう。
以上のように今回の事例において成功要因は様々考えられますが、団塊世代の退職による高齢者のレジャー消費など高齢層消費を期待しがちな自動車・オートバイ業界を含めた縮小均衡にある業界では、顧客年代を好循環させるために、ターゲット顧客を明確にした“コト売り”を十分に検討していくべきではないでしょうか?
(この記事は2009年3月6日に初掲載されたものです。)