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ITIL導入元年、再び?

私は現在、IT分野のコンサルティングをテーマとして、主にITアウトソーシング事業者様にシステム運用業務改善のご支援をさせて頂いております。ITと聞きますと、情報システム部門のご担当者の方以外は、あまり興味をもたれないのではないかと思いますが、普段あまりITに関わらない方に向けても、分かりやすくお伝えできればと思います。
IT業界の関係者の方/情報システム部門のご担当者の方は、ご存知だと思いますが、この業界では、2000年頃にITILというキーワードがブームとなりました。

業界関係者以外の方のためにお伝えしておきますと、ITILというのはイギリス政府が策定したIT運用業務のベスト・プラクティスと言われているもので、システム運用におけるデファクト・スダンダード(事実上の世界標準)と言われているものです(IT運用業務における成功事例集程度に捉えて下さい)。

年々増加してきた企業のIT投資額は、不景気を背景として向こう数年で頭打ちとなり減少していくことが予想されていますが、投資の使い道はランニングコストの比重がその多くを占めるようになっています。システムの運用コストが年々増加していく中、ITIL準拠を謳った製品が数多く登場し、運用業務の改善やコスト削減を目的に日本でも数多くの企業がITILを導入してきました。
ITILブームが到来してから数年がたち、改めてこれまでを振り返りますと、これまでITIL導入を検討されてきた関係者には、「ITIL製品の導入」という観点では、一通り循環したのではないかと思います。

IT運用業務の現場にITIL準拠の製品が導入されたことで、これまでメールなどのオフィス・ツールを使って個別に案件管理/進捗管理/納期管理されてきたものが、ITIL製品により一元的に管理されるようになり、マネジメント面の強化・工数削減という点においては一定の成果を収めたと言えると思います。

その一方でITIL導入が製品導入によるマネジメント業務の強化に留まっており、運用業務の改善には至っていないケースが散見されます。これはITIL=ハコモノ・ツール構築という誤った認識にもとに導入したことが主な要因として上げられると思います。ITIL製品の導入⇒ITIL導入だと捉え、ITIL導入は終わった・成功したと間違った認識を持たれているのです。
ITILは改訂され、その内容は変更されてきておりますが、ITILが要求していることの根本は運用現場を見える化し、業務のボトルネックを抽出、課題点に対する解決策を実行していくというマネジメントでは至極当然なPDCAサイクルによる継続的改善にあると思います。

来年度は不景気を背景とした経営陣からのIT投資コストの抑制要求も強くなっていくことが予想されます。こういった観点からITIL再導入の動きも活発になっていくのではないでしょうか。

ITIL製品を導入し、マネジメント面の強化で成果を上げられたご担当者様においては、もう一度ITIL導入の本来の目的を見直し、ITILによる運用業務の改善を検討されてみては如何でしょうか。
(この記事は2009年1月7日に初掲載されたものです。)