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ディズニー・ドリームキー 人気大爆発[マーケティング戦略・営業戦略]

(有限会社金森マーケティング事務所 取締役 金森 努)

「今だけの期間限定」というスペシャル感は生活者の購入を促進する常套手段。ましてや、人気ブランドの周年記念。加えて「自分だけのオリジナルが作れる」というカスタマイズ性があれば、人気は弥が上にも高まる。

ディズニーリゾートが今年25周年を迎えた。夢と魔法の国として、テーマパークのトップに四半世紀の間、君臨してきたのだ。正に開園25周年のディズニーランドと、同じリゾート内ということで後発のディズニーシーでも様々な周年イベントが繰り広げられている。
そんな中で、密かに人気が大爆発しているグッズがある。

【ディズニー・ドリームキー】
http://www.resort25.jp/goods/goods2.html

特設売り場で販売されているのだが、何と、最長8時間待ち!
8時間と言えば、成田で出国手続きをして、ハワイまで飛行機で飛んで、入国審査を終える……ぐらいの時間だ。普通でも5時間待ち。香港まで行ける。

なぜにそこまで人気が出たのか。冒頭に記したように、ディズニー開園25周年という節目の記念で、期間限定。さらに、自分の名前が入れられるというカスタマ性はある。しかし、それだけでそんなに人気が出るものなのだろうか。
25周年記念イベントは4月15日にスタートし、ドリームキーも同時に発売開始された。そして、25周年のキーワードは、<合い言葉は、「夢よ、ひらけ。」>なのだ。

同日、新聞では全面見開きのカラー広告が掲載された。紙面にはキャラクターが取り囲んだシンデレラ城に続く赤い絨毯で、ミッキーが腕を開いて出迎えるというイラストが描かれている。長文だが、そこに添えられたコピーがまた、秀逸。

できれば全文転載したいところなのだが、こと、ディズニーに関してそんな恐ろしいことはしたくないので、一部だけ謹んで引用させていただく。

<ときがきました。/心にしまってあるすべての夢をかなえるときが。>

<そんな夢をひらく鍵があるところ。/それが、25周年の東京ディズニーリゾートです。/ミッキーマウスやミニーマウス、すべてのキャストが、魔法の鍵を手にゲストひとりひとりの夢をひらいていきます。>

この「夢をひらく鍵」。単に販売されているだけでなく、上記コピーにあるようにショーでは実際にキャラクターが身につけている。それ以外にも、他のグッズにもキーがあしらわれている。要するにリゾート全体に鍵がちりばめられているのだ。その中で自分だけの「夢をひらく鍵」を手に入れ、さらにキャラクターたちと一体感が持てるとしたら、これは人気が出ないのがおかしいというものだ。
現実的な話としては、ドリームキーはパーツを組み合わせて購入するが、結局組み合わせ価格は2,900円となる。それなりに値の張るグッズだ。1つ作るのに5分ぐらいかかるだろう。同時に6人ぐらいのオーダーを受けているようなので、1時間に72セット。開園時間は1日13時間だから、1日936セット販売。25周年の1年間で341,640セット。単純計算すれば、総額990,756,000円。

実際にはそんなにスムーズにお客が入れ替わらなかったり、迷う人がいたりと5分で1つ作れないかもしれないし、1日13時間、365日まんべんなく作り続けられるわけでもないかもしれない。しかし、特設売り場という、いわゆる出店で販売する売り上げとしてはかなりのものだ。しかし、ディズニーにとってはさらにそれが25周年の象徴として人気が出るという効果の方が大きいのかもしれない。

普通に考えれば、せっかく入園して、なにも5時間も8時間も並んでまで買うのかと思うかもしれない。しかし、ファン心理とはそうした合理性だけで割り切れるものではない。

さて、無類のディズニー好きとしては、仕事が少し片付いたら、ちょっくら5時間並びに行くとしますか。
(この記事は2008年12月15日に初掲載されたものです。)

【記事提供元】
INSIGHT NOW!(インサイトナウ)