MENU
×

MENU

経営を診る視点[マーケティング戦略・営業戦略]

経営分析というと、いろいろな観点での分析が挙げられます。例えば、よく知られた 3C 分析(自社、競合、顧客)、マーケティングの 4P 分析(製品、価格、販促、チャネル)、バリューチェーン分析などは、経営分析業務を行ったことがないという方も一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

今回はこれらの経営分析の王道の視点ではなく、投資家の視点から経営を診ることで上記分析とは異なった点から自社業務を見直すことができることをお話したいと思います。

ここで述べる「投資家」というのは、短期的収益を目的としたデイトレーダーやファンドを指すのではなく、長期的収益を目的とした長期保有投資家を指します。

長期保有目的の投資家の代表とも言えるアメリカの投資家ウォーレン・バフェットの投資方針を考えてみましょう。

◆ ウォーレン・バフェットとは

バフェットの総資産は500億ドルと言われ、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツに次ぐ世界第二位の資産を保有している。

バフェットの投資初期の金額は10万ドルなので、実に50万倍も資産を殖やした計算になる。そんなバフェットの投資方針は、「消費者独占型企業に大量に投資する」である。

◆ 消費者独占型企業とは

安定的・継続的に利益を生み出すことができる商品・サービスを保有している企業である。例えば、コカ・コーラ、マールボロなどの企業が挙げられる。

今でこそ世界的な大企業であるが、バフェットが投資した段階では現在ほどの巨大企業ではなかった。では、どのように消費者独占型企業を判別したのか?

バフェットは次の質問(1)にイエス、(2)にノーと答えられれば「消費者独占型企業である可能性が高い」としている。

(1)当該企業が全資本を配当で投資家に還元した場合、後に何か「価値」が残るか?

(2)資金、人材が充分に揃っているとした場合、当該企業に勝つ企業を設立できるか?

つまり、他社がどうやっても模倣できない固有の技術やブランド(顧客からの信頼性)を持っており、それを商品やサービスへとつなげることができるかどうかがポイントです。

これは何も製品・サービスに限っての話ではありません。バリューチェーン上のどこでも良く、他社と比較して決して真似できないユニークな価値を創造することが消費者独占企業への第一歩です。
投資家の視点というと、ROE や PBR など投資とリターンに関する数値面での方針が語られることが多く、これらは投資の意思決定をくだす上で重要な指標にはなり得ますが、長期保有の株主は短期的な指標は勿論、上記質問事項も検討しているのです。

今回のテーマをきっかけとして、いわゆる王道の分析方法だけでなく投資家の視点から自社の経営を俯瞰することで、自社の強みを再確認してみていただければ幸いです。
(この記事は2008年2月22日に初掲載されたものです。)