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BtoB営業のポイント[マーケティング戦略・営業戦略]

今回は B to B 向けの商材を扱っているメーカーの営業体制というテーマでお話したいと思います。

一言に B to B と言っても、ターゲットとなる業界のライフサイクルによって営業の手法は異なって参りますので、今回はライフサイクル上、成熟期を迎えたと考えられるエステ業界に対して商材を卸している、ある美容機器メーカー様の事例をご紹介したいと思います。

■ 課題 : 商品ありきの営業スタイル

まず、今回ご紹介するターゲットであるエステ業界の現状を整理したいと思います。この1、2年、役務の小型化や都度払い化の進行に加えて、客単価の低下も深刻化し業界は厳しい状況を迎えています。

また、一昔前に比べると「エステ」というサービスが消費者にとってかなり身近になっています。消費者の知識も経験も上がればその分だけ選択する際の目も厳しくなりますので、どのサロンも顧客獲得にしのぎを削っています。

そんな厳しい状況下に置かれたサロンですが、話題性があって集客に役立つ良い機器の投資には前向きです。業界が厳しいからメーカー側に勝機がない、ということではありません。

とはいえ、サロンオーナーにヒアリングすると、「提案に来る商品はどのメーカーもあんまり変わり映えがしない。」という声がチラホラ……。

ではなぜどのメーカーの商品も変わり映えがしないのでしょうか。

その原因を突き詰めていくと、メーカー側の営業の仕方に検討の余地があるということがわかりました。

特に今回、事例として挙げますある企業の営業においては、以下3つの特徴を持った営業スタイルとなっていました。

(1)自社の商品に強い自信を持ち、性能や効果について長々と説明する
(2)一度の提案で、あれもこれもと複数の商材を紹介する
(3)商談中は、お客様よりも自分の方が長時間話している

上述したとおり、今回ご紹介する業界はライフサイクル上、既に成熟期を越えています。競合がひしめく状況のもと、上記のような営業スタイルでスムーズな受注に繋げるのは至難の業です。

一方的な価値の押し付けではなく、対象となる業界やお店にとって今一番の関心事が何なのかを正しく把握する必要がありました。

■ 解決策 : 付加価値営業への第一歩

それではどのようにこれら(1)~(3)までの問題点を改善したのかをお話します。まず、(1)の問題点についてお伝えします。

訴求する最大のポイントは、その商材の話題性や効果でしょうか? もちろんそれも重要な要素ではありましたが、競合ひしめく本業界にとって、それだけでは購入の決断は下せません。

メーカー側は、サロンのより本質的な不安に対して何からの対応を取る必要があったようです。本質的な不安とは、「高い機器への投資が売上増につながるか」ということです。

つまり、商材で自店の売上が上がるかどうかを正確に伝えることが必要となります。すなわち「商品提案=顧客の業績向上提案」と定義づけることができます。

ここで言う業績向上の提案とは、その商品を使っていかに新規の顧客を獲得できるのか、いかに固定客を育成できるのかをできるだけ具体的に伝えることを意味しています。

手法は様々ですが、例えばその商品を使って売上が急成長したサロンの事例を紹介するなど、目に見えない商品の魅力を「可視化」することです。

このように、商品そのものではなく、業績向上につながる効果を訴求することで問題点(1)は解決しました。

次に(2)に関してですが、「いろいろあるので、必要なものを選んでください」というスタンスではなく、顧客の状況に応じて、「あなたのサロンにはこちらの商品がおすすめです」と最適な商材を紹介できるよう、それぞれの商材の特徴・魅力を細かく分類し、ニーズごとに提案ができるよう緻密に落とし込みを行いました。

最後の(3)は、「売ったらそれでおしまい」ではなく「販売後も末永くサポートさせていただく」というスタンスを取り入れました。

これにより、営業組織や担当者、担当者の役割にも様々な変化を要しましたが、顧客満足を追求するうえで必要な改革だったと言えるでしょう。

昨今、「コンサルティング営業」などという言葉もよく聞かれるようになってきましたが、要するに(1)(2)(3)の状況を脱却するためには、クライアントとなる業界の現場を正しく理解することが不可欠であるということを意味しています。

対象となる業界の現場を知り、そのノウハウ=付加価値を含めて、メーカー、ディーラーが商品を販売していくことで、競合との差別化、顧客満足を高めていきたいものです。
(この記事は2008年6月30日に初掲載されたものです。)