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フロントエンド商品とバックエンド商品

今回は「フロントエンド商品」についてお話したいと思います。

マーケティング用語ではよく耳にする言葉だと思いますが、フロントエンド商品とはいわゆる「集客商品」のことです。

その反対に位置するのが「バックエンド商品」、いわゆる「本命商品」にあたります。バックエンド商品が利幅が大きく、キャッシュフローを生み出す主力となる商品になります。

たとえば、車のディーラーで言えば、

・フロントエンド商品=車の整備、修理
・バックエンド商品=自動車(販売)

居酒屋で言えば、

・フロントエンド商品=ランチ
・バックエンド商品=夜の宴会コース

そして我々コンサルティング会社で言えば、

・フロントエンド商品=セミナー
・バックエンド商品=定期支援、プロジェクト

といった形になるでしょう。

ここで重要となってくるのは、今回のテーマでもあるように、本命商品であるバックエンド商品ではなく、フロントエンド商品になります。なぜなら、企業にとってまずは如何にしてお客様を集める(=集客)ことができるかが重要だからです。

もし、あなたの会社で営業担当者が販売に苦労しているようであれば、フロントエンド商品を検討してみてください。セミナーやノウハウ小冊子、試用版ソフトウェアなどアイデアはたくさんあります。

また、フロントエンド商品は集客のための商品ですから、ここで大きな利益を取る必要はありません。逆に、しっかりバックエンド商品で儲ける仕組みさえできていれば、極端な話、フロントエンド商品は無料でも良いのです。

しかし、たとえ無料だとしても、品質を下げることはできません。なぜならフロントエンド商品は、お客様と初めて接点を持つ商品であるからです。ここで、「この程度か」や「安いだけはある」などと思われてしまったら、二度と取引はできないでしょう。だからこそ、フロントエンド商品が非常に大切になってきます。
もう一つフロントエンド商品について注意しなければならない点があります。

それは、チラシやホームページなどでは、本命商品であるバックエンド商品よりもフロントエンド商品を打ち出すべきであるということです。

フロントエンド商品は集客商品であり、お客様からしてみればもっとも障壁が低く、まず初めに問い合わせてみる商品になります。せっかくそのような商品があるのに、本命商品を売りたいがばかりに、障壁の高い本命商品ばかりを打出していれば、それだけ問い合わせ数も少なくなります。

本命商品は、最終的に販売できればいいので、まずはフロントエンド商品でどれだけのお客様を集められるかに注力することが大切となります。
それでは、最後にこのフロントエンド商品の構築で成功した企業の例を挙げて終わりにしたいと思います。

四国にある家電専門店なのですが、数年前に近くに大型家電チェーンが参入し、売上が激減しました。そのときに行ったのが、店の奥で行っていた家電の修理を店の前面に持ってきてチラシやホームページ、そして店頭などすべてのチャネルでその家電の修理を打ち出したのです。

すぐ近くの大型家電チェーンとは異なる商品(サービス)を打出し、なおかつ「安い」という障壁の低さから、お客様が増加し、大型家電チェーンが出店する以前の売上高まで回復しました。

そして、その後はこの企業の接客力の高さにもよりますが、家電の修理を行っていくうちに、家電店の本命商品である大型家電の売上高も増加していきました。

もちろん、ずっと家電修理というサービスは行っていましたが、フロントエンド商品としてお客様に認知されていなかったものを、前面に打出すことによって成功した事例となります。

皆様の企業でも、今一度フロントエンド商品について考えていただければと思います。