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営業活動の生産性を向上させる2つの手法[マーケティング戦略・営業戦略]

今回は、営業活動の生産性を向上させるための手法として“営業プロセス管理を核としたマネジメント”について、整理したいと思います。

営業活動の生産性向上を検討する際には、営業マン個々の活動に関わる“営業プロセス”とそれを全社的に定着させる“マネジメントの仕方”の両面からアプローチすることが必要となります。

1つ目のポイントは【1.営業プロセス管理】です。

この営業プロセス管理とは、従来の売れた、売れないといった結果だけを管理するのではなく、結果にいたる営業活動のプロセスをも管理していくことです。

一般的な営業活動プロセスは、以下のように分解できます。

164_2営業活動の生産性を向上させる2つの手法[マーケティング戦略・営業戦略]

営業プロセス管理では、この分解したプロセスに対して、2つの視点でアプローチすることが重要となります。1つ目はそれぞれのプロセスを1つずつランクアップさせること、2つ目は常にそれぞれのプロセスに一定量の顧客を確保すること、です。つまり、量と質の両面からのアプローチが必要となるのです。

1つ目のランクアップについては、質を向上させることを意味します。顧客別に現在の状況と営業プロセスを照合し、どのプロセスの割合が大きいか、どのプロセスに障壁が大きいかを見極めることです。

例えば、アプローチ件数に対して、提案書提出が極端に低い、あるいは見積提出件数に対して成約件数が低い、といったように営業マンの特性やスキルに応じて、強み・弱みが異なるのが実態です。

アプローチ件数が少ない営業マンに対しては、アポイントメント取得スキルを向上させることが打ち手となります。また、提案書提出件数向上のためには、ニーズ把握のためのヒアリングスキル、成約件数向上のためには、クロージングスキルを修得することが必要となってきます。

このように営業マンごと、顧客ごとに営業プロセス進捗を把握し、どの部分に障壁があるのかを特定し、それを克服するための有効な手法を実践することで営業活動プロセスの質を高めていくことが生産性向上につながるのです。

2つ目の一定量の顧客を確保については、量を増やすことを意味します。現状アプローチしている顧客の営業プロセスが改善されたとしても、そもそもアタックできる営業先が少なくては、常に成果を出すことは困難です。

したがって、新規にアタックできるリストを増やす活動を継続的にしなければなりません。これは営業マン個々の活動もさることながら、本社や支店のバックアップも必要になるので、それぞれの役割分担を明確にした上で、有効な活動を実践することが必要です。

このように、営業活動プロセスを量と質の両面から改善していくことが生産性を向上することになるわけです。この考え方をもとに、まずは、営業プロセスごとの定義を明確にした上で、現状の全社的な実績数値と目標数値を設定することが必要となります。次に、営業マン個々の営業活動実態を把握し、強み・弱みを明確にしていきます。

このように営業活動を事実として見せることで営業マンも納得せざるを得なくなります。その上で弱みを克服するためのスキルアップ研修や高い成果を発揮している営業マンのベストプラクティスといった具体的改善策を提示していくことで、営業プロセスの改善を図っていくのです。
次に重要なポイントは、【2.営業マネジメントのしくみ】を考えることです。

営業マネジメントのしくみとは、営業プロセス管理を推進していくために欠かせないものであり、個々のマネージャーの力量に頼るのではなく、営業プロセス管理で設定したプロセス指標(KPI)を共通のモノサシとして、それらを向上させていくための全社的なマネジメントモデルを構築していくことです。

マネジメントモデルとは、マネージャーが見るべき指標やタイミング、ツール、対応策等のガイドラインを策定することです。

例えば、マネージャーは、まず、毎月の支店・拠点の目標に対して、営業マンごとのプロセス指標を営業マンと相談しながら設定する。プロセス指標は毎日確認し、毎週1回は個別面談を実施する。個別面談では、詳細な活動状況をもとに営業プロセスに問題がないかどうか、問題があるとすればどの部分か、改善するためにはどんな打ち手が必要か、をアドバイスする。

本社・本部は、全社統一の管理指標・ツールをもとに、各支店・各拠点の実績を集約し、全体傾向と個別状況をフィードバックするとともに、営業マン・マネージャーのベストプラクティスを提供する、といったように本社・支店(マネージャー)の役割分担を明確にし、管理タクトや管理項目、必要ツールや改善策オプションを設定することでマネジメントをしくみ化していきます。

営業プロセス管理による営業マンの活動を可視化することで弱みを克服しつつ、全社的なマネジメントモデルを構築することで営業プロセス管理の定着・浸透を図ることで営業活動の生産性を向上させることが可能となるのです。
(この記事は2008年8月6日に初掲載されたものです。)