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顧客満足を考える際の落とし穴~問題の本質を見極める~[マーケティング戦略・営業戦略]

こんにちは、船井総合研究所の川原慎也です。

今年に入ってから、航空系の企業や鉄道系の企業のいわゆる“安全”に関わる問題がクローズアップされています。過去にもそのような問題がありながら、なかなか表に出てこなかったということなのかどうかは定かではありませんが、これらの問題の背景には【顧客満足度の向上=時間を守る】という目標が大きく関わっているという話を耳にします。航空系の企業で「目的地への到着時刻を守る確率」を重要なKPIとして捉えているケースが多いことからもそのことは窺い知ることができます。
しかしながら、それを実現するための手段として【オペレーション面の仕掛け】よりも【社員の意識と頑張り】に頼る部分が多ければ多いほど様々なところにひずみが出てくるのは、事例が示している通りだと思います。

例えば、アメリカで顧客満足度第1位の航空会社であるサウスウエスト航空では【時間を守る】ための仕掛けとして、(1)乗客の座席指定をしない、(2)使用する航空機は1機種、(3)マルチに動く社員(その他複数ありますが)、といったことを実践しています。(1)の座席指定をしないことで、乗客はなるべく
早く好みの席に座ろうという行動を促せる、(2)の航空機を限定することで整備などの準備を手早く済ませられる、(3)のパイロットやキャビンアテンダントも機内清掃などを手伝うという動きをすることで出発準備も手際よくできる、といった効果をもたらしているようです。事実として、他社が空港に着陸して
から離陸するまでの時間が平均50分程かかっているところを、サウスウエスト航空は平均20分以内という驚異的なスピードで他社を凌駕しています。これらが【オペレーション面の仕掛け】としてうまく回っている(社員の頑張りに頼るというよりも普通の動きで十分できる)ため、乗客に対する対応等のサービス面に対しても余裕をもって動くことができ、それが顧客満足度第1位につながっていると考えられます。

今回のテーマは『顧客満足のはき違え』です。
実は最近、あるサービス業のFCチェーンから相談がありました。「うちが展開しているお店で、待ち時間が長いというクレームが頻発しています。スタッフの業務フローやスキルの平準化ができていないことが要因だと思うので、顧客満足度を高めるためにその辺を改善していきたい」といった内容です。
ここで考えていただきたいのは、【待ち時間の短縮=顧客満足度の向上】につながるのかどうかということです。このFCチェーンは接客応対の必要なサービス業ですから、仮に待ち時間を0分にしたとしても、時間を気にするスタッフが客を捌いているような状態が良いはずはありません。そう考えると、【待
ち時間の短縮=顧客の不満要因の解消】にこそなれども顧客満足度の向上には必ずしもつながらないという前提で考える必要があるのではないでしょうか。
よって対策としては、【顧客の不満要因を解消する(待ち時間のクレームを防ぐ)ためのオペレーション面の仕掛け】とともに【顧客満足につながるスタッフの対応面の向上】という2つが必要だと考えたのです。
そのFCチェーンの担当役員は、「長い間“CS(顧客満足)”を担当しているなかで、クレームへの対処という業務に忙殺され、本来の顧客満足につながることは何かを見失っていたかな」という話をされていました。
よって顧客満足に関しては、再度お客さまからの意見をもらいながら、そのチェーン本部内で『お客さまが求めていることは何か、どういったアクションが顧客満足につながるのか』という本質を見極めていく作業を継続的に実施することを決定されたようです。

おそらくサウスウエスト航空では、【顧客の不満要因を解消する=時間を守る】ために、徹底した【オペレーション面の仕掛け】を展開し、【顧客の満足度を向上する=最高の対応をする】ためには【社員の意識と頑張り】を促進するといった考え方が、戦略の基本にあったのではないかと考えられます。
その背景には、【時間を守る=顧客満足度の向上】といった『顧客満足のはき違え』をしない企業としての姿勢(常にお客さまが何を求めているのかに耳を傾ける)があることを、全ての結果が示しています。

ほとんどの企業で【顧客満足】という言葉が使われていると思いますし、【顧客満足を向上させる】ことを重要な経営課題として掲げられていることだと思います。しかしながら、今回のテーマからもわかるように、その本質をしっかり見極めて最適な施策を展開している企業は意外と少ないのが事実です。
常に顧客の真のニーズを収集分析し、それをタイムリーに現場に展開する仕組みがあるかどうか、再検証していただくことをおすすめします。

弊社では、BtoB、BtoCといったビジネス特性に対応した『顧客ニーズサーベイプログラム』をご用意しております。
お気軽に下記アドレスまでお問い合わせ下さい。
担当/川原 kawahara@funaisoken.co.jp

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。