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成功事例の展開方法とは?[マーケティング戦略・営業戦略]

今回は、成功事例の展開方法についてご説明いたします。
コンサルティングの現場では、業績改善方法として、成功モデルをベンチマークし、その成功要因(KFS)を抽出し、横展開を試みることがあります。
皆さんも企画部門の方ならば一度はご経験があるのではないでしょうか?しかし、展開後に、どうしても成功事例が実行されない、または定着しないというケースが多々あります。

定着しない理由としては大まかに以下のような要因が多いように感じます。

1.ケース分けが雑である。または展開を急ぎすぎる。
 せっかく抽出したKFSも、適用対象を十分に検討しなかった結果、成果が発揮できないことがあります。
 コンサルタントは一般的に、適用対象を定量的な指標で分類します。(坪売上○○万以上なら・・・、粗利益△△%以下なら~~、等)財務データや商環境、レスポンス時間等客観的なデータで分類できることが必要 です。
 なお、これらのケース分けは経験に基づく勘と十分な検証時間が必要となります。

 これらの分類分けが適切でないと、せっかくのKFSも効果が発揮されません。良くある失敗事例として、経営層が展開を急ぎすぎた結果、パッケージを全対象一律に適用してしまい、効果が得られなかった、というケースがあります。
 こうしたケースでは、まるでKFS自体が間違えていたかのような誤解を生んでしまい、改革が後戻りになる場合さえあります。
 このような事態を防ぐためには、展開時に何ステップかに分け、複数回トライアルする、といった慎重さが必要となります。
 トライアルを繰り返すことで適用可能なパターンが次第に見えてきます。もちろんその際には、1回当りのトライアル期間は出来る限り短期とすること、
 各トライアルでどのような仮説を検証するのか明確にしておくこと、また、実行者の業務量を見極め、適切なボリュームを展開すること、等が必要となります。

2.コミュニケーションの不足
 せっかく展開するプランも、その意図するところが現場に伝わっておらず、絵に描いた餅になっていることはどこでも見られる光景です。
 特に、現在の業務の仕組みを大きく改善する内容であれば、事業トップ自らが現場を歩き意図を説明し、取り組みに対する覚悟を示していく必要があります。
 現場から取組み姿勢を疑われ、「これまでと一緒ですぐ尻すぼみになる。」と思われた結果、重要な全社プロジェクトが機能しなかった、という事例はあまりにも多く聞くことです。

3.マネジメントの不足
 せっかくプロジェクトの意図が伝わっていても、重要なプロセスがきちんと管理されていないと、やはり定着が難しくなります。
 実は、どのようなKFSも、展開後すぐに効果が現れることは稀であり、これまでの業務オペレーション、またはマネジメントを変えていく中で成果が生まれてくることが殆どです。
 マネジメントが不十分だと、ちょっとトライしただけで、「このプランはあまり効果が無い」という決断を現場が出してしまい(現場はオペレーションが変更となるものは必ず反対するものです)、定着されません。
 このような事態を防ぐためには、プロセスに基づいた管理指標を十分に設計しておき、定期的なトラッキングを行なうこと、プロジェクト開始時にゴール(成果物)を明確に規定しておくこと、などが必要になります。
 また、管理指標を出来る限りシンプルにすることが重要です。複雑すぎる管理指標は現場のモチベーションを削ぎ、実行力を低下させます。我々のコンサルティングの現場では、常に気をつけるべき事項と言えます。
(この記事は2008年6月7日に初掲載されたものです。)