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その調査、実は無駄かもしれません

調査を行う際の大まかなステップとしては、以下のように進めていくことが効果的です。

①調査を行う目的(検証すべき仮説)を明確にする
②目的達成のために必要な情報をピックアップする
③必要な情報のうち、調査が必要なものについて調査方法を検討する
 (必要に応じてトライアル調査を行い、調査方法の有効性を検証する)
④調査を実施する
⑤調査結果をまとめる
⑥調査結果から、「答え」を導き出す

上記ステップを踏まえたケースとして、ミステリーショッパーを例に解説していきたいと思います。

①目的:従業員の接客力を向上させ、結果として顧客満足度向上につながってめには、どのような接客を行っていけば良いかを検討する
 仮説:自店は、顧客に不快感を与えることなく、標準的なレベルでの接客はできているが、顧客のニーズに対応する、印象に残るような接客はでていないのではないか

②自店従業員接客力、および競合店従業員の接客力 ⅰ)自店・競合従業員の基本的な接客態度(笑顔、身だしなみ、話し方等)
 ⅱ)自店・競合従業員の個別接客内容(ニーズ把握・提案)

③ミステリーショッパーを検討
 ⅰ)チェックリストにもとづく基本的接客態度の確認
 ⅱ)個別接客対応の確認(定量化)

④自店および競合の調査を実施

⑤調査結果のまとめ
 ⅰ)従業員別のレポート作成
 ⅱ)自店・競合ごとに全体傾向やポジション別傾向等の抽出
 ⅲ)好事例の抽出
 
⑥仮説に対する検証結果、および目的に対する答えの抽出
 ⅰ)仮説のとおり、顧客に不快感を与えることなく、標準的なレベルでの接客はできているが、顧客のニーズに対応する、印象に残るような接客はできていないのではない
   ・競合店と比較して、基本的な接客態度には大きな格差が見られない
   ・個別接客対応では、競合店の方が積極的に顧客と関わりながら、ニーズ把握のための質問を行い、商品・サービス提案を行っている
 ⅱ)今後の方向性と進め方(省略させていただきます)

このステップの中で重要なポイントは、入口と出口、つまり①と⑥になります。

①については、
「わからないので、とりあえず調査をしてみるという話をよく聞きますが、手当たり次第に行ってもなかなか答えは出てくるものではありません。何を知りたいか、そのためには何に対してどのようなアプローチをとっていくかを明確に行うことにより、精度の高い答えが期待できます。」

つまり、まずはじめに「なぜその調査を行おうと考えたか」を明確にする必要があります。
実際の現場でも、なぜそのような調査を行っているのか、とクライアントに質問すると、「いつも調査しているから」「同業はどこでもやっているから」といった回答がしばしばあります。しかし、その情報をどのように活用していくかが明確になっていなければ、活用されずに無駄な調査として終わってしまうことが多いようです。
POSに様々な機能を付けたが、使っていないというケースを例に挙げると、ご理解いただきやすいでしょうか。

⑥については、
「リサーチによって収集した各種データは、所詮はただの目に見える事実・現象です。視点さえ決めてしまえば誰でも収集することができるものです。
大切なことは、収集した「データ」を「情報」に変換すること、つまり、収集した事実から「何を読み取るか」「何が言えるか」を考え、その結果をアウトプットすることです。」

つまり、結果から目的や仮説に対する「答え」を抽出するために、解釈を行う必要があるのです。
この「解釈」という作業は容易ではなく、論理的に正しい解釈を行うためには、スキルが必要です(ある元外資系コンサルタントの方は、職人芸みたいなものとおっしゃっていました)。
ですが、この「解釈」を行わなければ、調査を実施した意味自体がなくなってしまいます。
「ピラミッドストラクチャー」など、便利な技法もありますので、まずはペンと紙を使って実際に作業をしてみることが大切です。

調査ステップとそのポイントについて、大まかにご理解いただけましたでしょうか。

今後、調査を検討する際には、目的の明確化(仮説の立案)、答えの抽出(結果からの解釈)を押さえて実施していただければ、より効果的な調査となると思いますので、少しでもご参考いただければ幸いです。
(この記事は2008年4月28日に初掲載されたものです。)