MENU
×

MENU

物流体制は自社で構築すべきか、アウトソーシングすべきか

■宅配便の価格値上げから見る物流の変化
ご存知のとおり宅配便業界は、ヤマト運輸・佐川急便、そして日本郵便3社のほぼ寡占市場です。寡占状態になると、不完全競争状態にあるため、業界プレイヤーは他社の値下げには追随することはあるが、価格交渉権は売り手側に存在します。つまり売り手側が力をもつことになります。 これは先般のS社が宅配便料金の値上げ交渉から始まり、トップ2社が一斉値上げの動きをし、日本全国の宅配便単価が上昇傾向にあることから、実感を持たれるかたも多いでしょう。(実は適正運賃に向かっているだけなのですが)

■物流のイニシアチブは荷主から物流会社になる?
またドライバー不足と少子高齢化も物流にかかわる人々にとっても、それ以外の人にとっても大きな問題です。そもそも運送業は物流3法というものに法律が改正され、参入障壁が低くなったことから、業界プレイヤー数過多、つまり供給過多が続いてきました。そのため価格競争に陥っていた業界ですが、今運送業では商品・サービスそのものであるドライバー数が減少し、サービス提供ができなくなっているのが現実です。

つまり市場に商品・サービスが供給されなくなったことを意味します。もともとが新3K職種(きつい、給料やすい、帰れない)といわれていた職種ですから、急な改善が見えてこないのが現実である、また少子高齢化も後押しすることになるため、心配の種になっています。 そのため企業の売り上げに占める物流コストの比率は今後上昇していくことを予測しています。

そのような環境のなか、通販、宅配サービスの市場は伸びてきており、時流の真っ只中にあるといえます。市場は伸びているが「運べない」そのような環境です。つまり物流体制がいかにうまく作れるかが、最大のポイントになります。

■自社物流体制を検討する会社も
30年ほど前は製造業・卸・小売業の荷主側で物流体制をもって運営することも珍しくはありませんでした。 なぜならその時代はトラックや作業人員が供給不足で、自社で保有することでしか安定的な物流体制が確保できなかったからです。そういう時代を経て、コア事業に特化するために物流業務をアウトソーシングすることで業績を上げていこうという動きになり、現在のように物流がアウトソーシングされることが一般的になったのです。 需要と供給のバランスはその時代と同じになろうとしています。

そのため、自社でトラックや作業人員を確保し、物流インフラを保有しようとしている企業も増えてきました。現時点ではそれがよいのかどうかは判断しかねるところはありますが、物流体制の安定確保ができないことが、業務上の課題となっていることは間違いないでしょう。今後2年の物流体制をどう考えるかは大きな経営課題となりそうです。

廣田 幹浩
株式会社船井総合研究所 シニア経営コンサルタント
経営者・幹部様向け/物流コスト削減・業務改善・ロジスティクス
2006年大手物流会社から船井総合研究所へ入社、ロジスティクスグループへ配属。主に卸売業・小売業の物流効率化を得意とし、物流コスト削減コンサルティングはもちろんのこと、企業が拡大していくために生じる物流の壁を取り除き、「売上を上げるための物流体制」を構築することをもっとも得意とする。特にアパレル業の物流体制強化を得意とする。物流会社出身であることを最大限に活かした、戦略・戦術・戦闘レベル全ての段階のコンサルティングをこなす内容にはクライアントから大きな評価を得ている。物流分野においては、20業種以上の実績をもつ。