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働き方改革 その本当の意味とは

働き方改革の波がやってきている。これは多くの経営者にとって無視できない問題となってきている。経団連などが宣言した『経営トップのための働き方改革宣言』というものがある。そこには働き改革として企業として取り組んでいく内容が記載されている。
詳細はお読み頂くとして、骨子は以下の通りである。

1.業務のムリ・ムダを無くす
2.残業時間の削減
3.有給休暇取得率の向上
4.特別休暇の付与

この働き方改革の話になると出てくるのが、【生産性】の話。日本は生産性が低く、それが長時間労働に繋がっているという話である。それは一理あるかもしれない。しかし、日本の生産性はここ10年来、ずっと低い。今に始まった話ではないのである。それでは、どうして今、働き方改革が声高に叫ばれ始めたのか?それは日本の人口動態と関係があると考えている。

ご存知のように、日本は人口減少時代に突入している。少子化の影響で若者世代が減少していく。2030年には、今の1/3まで若者世代の人口は減少する。さらに、高齢化が進むことで介護を余儀なくされる世帯が増えていく。統計によれば、介護を理由に退職した人は10万人に上った。また、介護を担っている男性のうち約半数が役職者である。

若者が減り、介護が必要な社員が増える。結果として、新卒社員だけで必要な人材を確保できる会社は少なくなる。この状況を埋めるべく、女性やシニアの活用。ここに介護を担う男性を加えた“時間制限付き社員”の活用が鍵になる。つまり、ある意味時間を無制限に働くことが出来た若い男性社員の構成比率が減るため、新たな社員構成での働き方に方向転換する必要がある、ということになる。

今の時代は人材不足では無い。人手不足だと考えた方が適切である。事業を継続していくための人手を確保する事が難しい時代に入ったのである。社員にとって魅力的な会社であること。入社した社員が辞め難い会社であること。また、時間制限付き社員を上手に活用して成果を上げる事ができる、新しい業務プロセスの設計。実はここに働き方改革が必要な本質がある。

生産性向上という大きなテーマでは、結果的に現状の業務プロセスのムダを見つけて対処療法的な対策を打つことで終わってしまう。それでは、何も改善できない。大切なことは、人口減少によって社会の構造が変わるという事実。それに適応する新しい働き方を、今から模索していく必要があること。10年後、今と同じ社員構成でビジネスが出来ている企業は少なくなる。だからこそ、働き方改革が必要になるのだ。

長島 淳治
株式会社船井総合研究所 チーフ経営コンサルタント
入社以来、OA機器業界やIT業界を中心としたマーケティングやセールスに関するコンサルティングで多くの実績を上げる。 近年は、セミナーを活用した「セミナーマーケティング」を得意としており、反響率・成約率の高いセミナーづくりにおいて多くの実績を挙げる。