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オムニチャネルで顧客資産を有効活用するための仕組みとリーダーシップ

小売企業起点、ネット企業起点、どちらであってもオムニチャネルという概念の消化と推進は21世紀のリテールビジネスの本命なのではないかと思います。世界最大の小売業ウォルマートに続く世界第二のリテール企業はすでにamazonです。そのamazonがアメリカでリアル書店の多店舗展開をスタートしたという事実は世界中のリテール企業に大きな刺激と危機感を与えました。

強者amazonの描くリテールビジネスの未来と自社のリテールビジネスの未来は共存・共生するものなのか、淘汰されていくものなのかを真剣に考えなければならなくなったからです。アメリカで成功するとそれはやがて全世界で展開されることは間違いありません。こういう状況の今、オムニ戦略立案の重要な視点は何が合理的で正しいことなのかと言うことだと思います。

売り手起点のビジネスの枠組みと視点だけではこれからの競争に打ち勝つことは難しく、速やかに顧客起点のビジネスの枠組みと視点を現在のビジネスに付け加えていくことが重要と考えられます。オムニチャネルの概念は平たく言うと顧客資産を活用し、あらゆる消費とサービスの販売をクロスセルしていくということです。

さらに時間と場所の制約を超え、いつでも、どこでも、だれでも、どんなものでも簡単に注文することができ、ストレスなく受け取れるという状態を作るということも目指します。オムニチャネルを情報流・物流の面から考えると商品集荷・発注・購買物流・保管・出荷指図・販売物流をいかに低コスト、短時間で、手間をかけずにシームレスにつなぐかということが最大のテーマです。

ここで重要なポイントはITを使って業務をコントロールし、コストを安くするという視点を持たねば手作業レベルでは競争に打ち勝てないという事実です。そして注文を取る時点では認知性が高い発注経路、好立地を確保しなければなりません。さらに店舗やサイト、アプリなどの立ち寄り率を向上させ、欠品防止・売り逃し回避を目指さねばなりません。

続けて注文率の向上、返品率の低減、利益商品把握と確保、格下げ(バーゲン)比率低減、過剰生産・過剰在庫の無駄排除、作業(ピッキング、配分指示、検品、品出し、棚卸、返品処理)などのムダ排除、輸送における無駄排除、再配達・保管のムダ排除、集計業務・意思決定・業務のアイドリング時間などのムダ排除などをトータルに実践していかねばならないのです。

オムニチャネルに関してはビジネス全体を俯瞰でき、全体最適の視点でコストをコントロールさせる力を持つ人材の育成と全社レベルで最適を実現する仕組み作りを推進する視点がある人材が必要だということなのだと思います。そしてその取り組みを推進するためには商品部、営業部、物流部、管理部、販売促進など様々な部署が組織の壁や軋轢を超え、力をあわせる環境を作り上げるような体制と環境が重要です。

オムニチャネルの推進には利益とコストにシビアな企業体質作りが不可欠であり、組織を一つの目標で統制する全体構想提示型のリーダーシップが決め手となると思います。