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金融機関との付き合い方を考える【2】

金融機関の能力・機能変化
しかし、バブル崩壊以降は、その短期融資に関しても担保がないと貸し出し枠を与えないようにというような方針となり、担保を求めるようになったのです。そのため、行員は、担保さえとれれば企業をみなくともお金は貸し、逆に担保がなければ、どんなにニーズがあっても貸さないという形に変わりました。

これにより、銀行の企業先管理の方法も劇的に変化します。それまでは、1人が対応する法人先数は100軒ほどでした。それが担保主義による企業チェックの簡素化と決算書のシステムによる自動診断、そしてリストラの方針とあいまって、1人の管理先数は倍の200軒以上となりました。これでは、1社1社の企業をしっかりとみるどころではありません。

ひどいところは、年に1回、決算書ができたときにしか訪問しないという先も出るくらいです。これでは、企業をしっかり見て貸せというほうが無理です。しかしながら、金融庁の方針が、不良債権の一掃と正常化に主眼が置かれていたため、しかたないことともいえるでしょう。

金融庁の方針が大転換
しかし、ここで大きな変化がありました。それが、平成26年9月に金融庁より出された基本方針の変更内容です。以下は、「金融モニタリング基本方針の概要」の一部を抜粋したものです。

1.顧客ニーズに応える経営
- 金融機関が顧客を第一に考え、真に顧客の利益になる金融商品・サービスを提供しているか検証。
■優越的地位の濫用や利益相反が生じていないか。
■手数料や系列関係にとらわれることなく金融商品・サービスが提供されているか。

2.事業性評価に基づく融資等
- 企業活動の国際化や人口減少が進展する中、企業・産業が活力を保って経済を牽引することが重要。
■ グローバル企業・産業の国際競争力維持・強化。
■ 人手不足の中、ローカル企業・産業の生産性向上による雇用や賃金の改善。
- 銀行等が財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、事業の内容、成長可能性を適切に評価し、融資や助言を行うための取組みを検証。

これが何をいっているかというと簡単には、担保・保証に依存せず、総合的に企業を見て融資を行うこと、そして、融資だけでなくその企業の発展に寄与するサービスを提供することということです。担保主導主義からの劇的な変化です。ちなみにこれらの内容は、金融庁のホームページから誰でもが見れるようになっていますので、ご興味ある方は、チェックしてみてはどうでしょうか。

菅原 祥公
株式会社船井総合研究所 執行役員 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け講演/デューデリジェンス
どのような企業にも必ず“存在意義”があり、常に“長所を核とした成長の 種”はある】をモットーに、企業の三宝である「理念やトップのビジョン・戦 略」、「マーケティング」、「人・組織・マネジメント」そしてその結果としての 「財務」といった各要素を多角的に判断し、事業全体のデザインを再構築し ていくことをテーマにコンサルティング活動している。株式公開をはじめ、 事業再生や事業承継がからんだ事業計画立案、M&A案件にも多く関わっ ており、現在、船井総研の経営戦略コンサルティング部門を統括している。 ○主な著書 「最新ビジネスデューデリジェンスがよーく分かる本」 秀和システム刊 「図解入門ビジネス 最新中期経営計画の基本がよーくわかる本」 秀和システム刊 「経営の極意」 総合法令 刊(船井総研社員との共著)などがある