MENU
×

MENU

金融機関との付き合い方を考える【1】

企業と金融機関との関係についての話をしていきます。私は、船井総研における金融機関様との連携窓口を実施している関係で、業界の方々とお話をさせていただく機会も多々あります。そのような関係から、よく、経営者の方々からも金融機関とどのように付き合えばよいかというような質問もあります。そこで、以下に金融機関がどのような発想や思考で、企業にお金を貸し出すかということに、注目してみましょう。

金融機関の思考を知ること
まず、皆様に知っていただきたいことは、金融機関は、「お金を貸すことにより収益を上げる」という営利法人であることです。これだけみれば、お金と商品やサービスの違いはあれ、一般企業との大差ありません。ただし、大きな違いは、ここに金融庁がからんでくることです。この金融庁の方針にのっとって企業融資をおこなっているということを大前提に考える必要があります。仮にこの方針に逆らった銀行経営や貸し出しをしていると、業務停止に追い込まれるということもあります。

銀行の思考を知りたければ、金融庁の監査方針を知ること
この方針というのが「監査方針」です。金融庁監査というのは、池井戸潤氏による小説「半沢直樹シリーズ」で知ったという人も少なくないでしょう。金融機関は、この金融庁の方針と監査に非常に神経質です。これを知るには、バブル崩壊以降の金融庁の方針について知っておくことが必要です。

まず、なぜバブル崩壊が起こったから入りましょう。簡単には、1980年後半から銀行が企業にお金を貸しまくったところが一つの原因です。本来、融資は、その目的が非常に重要です。しかし、バブルのころは、急速な土地や株の値上がりがあり、本業への融資でなく、企業がそれらの、土地や証券など、本業に関わりのない部分にもお金をドンドン貸したことが非常に大きかったといえるでしょう。

そのため、バブルが崩壊した1991年以降、「不良債権」を一掃することが、日本の国際的信用を取り戻す重要な国の指針となりました。そこで、バブル崩壊以降、金融庁の金融機関に対する監査方針が厳しくなったのはご存知のとおりです。まず、担保につりあっていない融資や返済の見込みのない借金は、金融機関によって損切り(=不良債権処理)が一斉に行われました。そのため、企業の倒産も相次ぎました。

その中で一つ注目しておきたいことは、金融機関の能力変化です。特に大きな変化の一つが、短期の資金繰り融資に対する方針であったと思っています。ご存知ない方も多いと思いますが、15~20年前までは、短期の資金繰り融資は基本返さなくても良いお金といわれていました。銀行から借りているのに返さなくてもよいというのは不思議に聞こえるかもしれませんが、本当の話です。

金融機関は、返済期限がくると、必ず同額を折り返し資金として融資するため、継続的にその企業の資金繰りに入り込んでいました。一定の利息は、当然払いますが、もはやそれは企業のお金の一部です。そのため、行員は、企業の資金繰りチェックの能力も求められていました。毎月の資金繰りがおかしくなっていないか、企業の管理もしっかりおこなっていく力が必要でした。つまり、企業をしっかり見極める力が必要だったということです。

菅原 祥公
株式会社船井総合研究所 執行役員 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け講演/デューデリジェンス
どのような企業にも必ず“存在意義”があり、常に“長所を核とした成長の 種”はある】をモットーに、企業の三宝である「理念やトップのビジョン・戦 略」、「マーケティング」、「人・組織・マネジメント」そしてその結果としての 「財務」といった各要素を多角的に判断し、事業全体のデザインを再構築し ていくことをテーマにコンサルティング活動している。株式公開をはじめ、 事業再生や事業承継がからんだ事業計画立案、M&A案件にも多く関わっ ており、現在、船井総研の経営戦略コンサルティング部門を統括している。 ○主な著書 「最新ビジネスデューデリジェンスがよーく分かる本」 秀和システム刊 「図解入門ビジネス 最新中期経営計画の基本がよーくわかる本」 秀和システム刊 「経営の極意」 総合法令 刊(船井総研社員との共著)などがある