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伝わらない原因は具体化できないあなたにある

みなさん、こんにちは。船井総合研究所の北村です。

今回は「わかりやすく、そして具体的に伝えることの大切さ」について述べたいと思います。

つい先日、新幹線に乗っていた時のことです。
前方の壁に日立のエアコン「しろくまくん」の広告が掲載されていました。
『しのびこむ花粉を、キレイな給気で「押し出し」。新発想で、花粉に解消』とキャッチコピーが書かれてあり、その下には相撲まわしを締めた関取風のしろくまくんのキャラクターが、家の中から花粉に対し相撲の「押し出し」を決めているマンガが描かれていました。

その後ご支援先の学習塾に伺ったのですが、塾長のお話に共感を覚えました。
「どこの学習塾でも生徒への訴求事項として、『弱点を克服する夏』をアピールすることが多い。けれども当塾では『弱点を発見する夏』というポイントと、弱点を発見させるために各科目ごとに単元を網羅した『ゴリプリ』(「ゴリゴリ行うプリント」の意)を今年は徹底的にやらせることを強烈にPRしました。その結果、飛躍的な生徒数の伸びを記録することができたのです」。

これらはいずれも自社やマーケティング戦略の進むべき方向性を表す端的な事例として学べるだけでなく、「戦略が決定された際、どのような姿勢で外部に情報を発信するか」という点で大いに参考になります。

大抵の場合、戦略は最終的に緻密に組み上げられたパズルとなり、ターゲットや4Pに関して、細かなポイントまでコミットしていることが多いと思います。しかし、これをそのまま一時的な情報として顧客ターゲットに発信してしまうと、焦点はぼやけてしまい、結局情報の送り手としての最も伝えたいポイントですら伝わらなくなってしまうことが多いのです。顧客ターゲットに伝える際には、できるだけわかりやすく、伝えるポイントを絞り、そして相手がイメージしやすいような具体的な方法やモノで伝える必要があるのです。多少のモレや正確性に欠ける部分があっても構いません。強烈にPRすべきポイントを鋭
角的に伝えることが大切です。冒頭でご紹介した2つの例は、この点を上手に実践されていることがおわかりいただけると思います。

しかし、ここから学ぶべき点は実はこれだけではありません。
外部への告知ではなく、社内的に戦略をより上流から下流に展開する際、すなわち実行戦略を全社的に展開する場合に、これと同じことが言えるのです。

わかりやすくするために、ある営業課長がメンバーの一人に対し、予算の達成方法についての指示をしている場面を考えてみましょう。
「今年度は上からの方針で予算が20%増しだから、お前は死ぬ気でがんばれ!」では、言われた方は自身の行動イメージが湧きません。上司としては、部下と同じ目線に立ち、彼がイメージできる形で、わかりやすく、そして具体的に伝えることが大切です。情報の受け手にわかりやすい内容にかみ砕くことで、組織内での展開効果が向上していくのです。

「君の扱い商品は『展示会集客→名刺獲得→表敬訪問→提案書提出→見積→成約』という営業プロセスで進んでいくのだから、まずは展示会での名刺獲得数を20%向上させることができれば、その他の達成率が昨年と同じくらいだと仮定しよう。結果として昨年20%アップの成約が見込めることになるよね?
だからまずは展示会での獲得名刺数を20%いつもより多くもらうことを目標に置くべきだと思うんだが、どうだろう?」
というディスカッションのテーマにすれば、彼も頭の中で端的に切り口が描け、アクションプランも明確に定義しやすくなります。

「そうですね。その線で考えてみます」「いえ、お言葉ですが、名刺獲得数よりも展示会そのものへの集客数を増やすことの方が現実的だと思います」というように、自身の行動計画に反映させやすくなるのです。
漠然と「予算達成に向けて死ぬ気でがんばれ!」と言われた場合との違いは歴然としていますね。

社外へのプローモーション告知であれ、社内での戦略の展開事項であれ、このように相手の目線に合わせ、わかりやすく、そして具体的に伝えることが大きなポイントとなるのです。
(この記事は2008年5月22日に初掲載されたものです。)