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『PDCAが回らない本当の理由とは!』【1】

2012年の「これだけ!PDCA」(すばる舎リンケージ)を皮切りに、2014年「PDCAが面白いほどできる本」(KADOKAWA)、そして今年2016年はPDCAをテーマとした3冊目の本として「PDCAの教科書」(マイナビ)を出版させていただきました。皆さんもご存知の通り、“PDCA”という概念はマネジメント手法としてすでに確立していたもので、新しい考え方というわけではありません。

しかしながら、ここ数年の間に、私の著書に限らずいくつかの出版社から“PDCA”をテーマに取り上げた書籍が出てきているのは、それだけの需要があるからに他なりません。事実、出版を機に「PDCAを組織に定着させたい」といった要望を受けてのコンサルティング依頼は、以前とは比較にならないほど増えてきました。

そのなかで、「まじめに取り組んでいるにも関わらず、PDCAがうまく回らない」と感じている数多くの中堅幹部の方々が、PDCAマネジメントにどのように取り組んでいて、どこで躓いてしまうのかといった実態を掴むことができてきました。実は現在も、今年の秋に発刊される予定のPDCAをテーマとした本に取り組んでおり、ここ数年のPDCAコンサルティングを振り返っているところなのですが、あらためて気づいたことがあります。

それは、大多数のかたがPDCAのスタートで躓いてしまっているということです。想像してみて下さい。皆さんの会社で「マネジメントの基本としてPDCAをしっかり回そう」といった方針が経営陣より示された場合、中堅幹部のかたはそれをどのように理解をして取り組むでしょうか。

私のクライアント先で最も多く見られたのが、「今までやってきた業務内容をPDCAのフォーマットに上手く当て嵌めて管理を徹底しよう」というパターンです。「え?それのどこが間違っているんでしょうか?」おそらく、このような感想を持つかたもたくさんいらっしゃることだと思います。

例えば、「仕事のやり方に関しては何の問題もありません。現場のマネジメントに携わっている管理職がしっかり管理さえできるようになれば、成果は出るのです」といった状況にあるのであれば、「現在の業務内容をPDCAに当て嵌める」だけで良いのかも知れません。しかし、今までと同じように仕事を進めることで、本当に成果は出るのでしょうか?

仮に、今までよりも高い売上や今までよりも高い利益を成果として求めているのであれば、今までと同じ仕事の進め方で、その成果は出せないと考える方が理に適っています。また、決して高望みはせずに今まで出せていた売上・利益を継続して出すことを成果と考えたときに、本当に今までと同じように仕事を進めることでその成果を出せるのかについても、そうとは限らないというのが現実ではないでしょうか。

経済動向、市場規模の停滞や減少、顧客ニーズの変化、競合企業の新たな取組等々、自分の会社にとってマイナスの影響要因までをも想定すると、変化しない(今までと同じように仕事を進める)ことは、衰退につながるといっても決して言い過ぎではないわけです。「PDCAは変化を起こすマネジメント手法である」是非、このような意識でスタート時点に立ってもらいたいと思います。

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