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『“5S”を徹底している組織は強い』~当たり前のことを当たり前に!

「この会社、いつ訪れても気持ちが良いな!」
直感的にそう感じる会社がある一方で、「なんだか雰囲気が暗いな。。。」と感じてしまう会社もある。
職業柄、日々さまざまな企業を訪問しているからこそ、そういった違いに気づきやすくなっているのだろう。とはいえ不思議なのは、オフィスであれ、営業所であれ、店舗であれ、入った瞬間にその評価は直感的に行なわれるということだ。

なぜ改めてこのようなことを考えているかというと、拙著「これだけ!PDCA」を読んでいただいた読者の方から立て続けに同じような質問を受けたからだ。
「“5S”を徹底している組織はすべからく強い」という記述があり、言わんとするところは理解できるのだけど、最終的には自分の腹に落ちない(違和感が残る)ということだった。
確かに、「“5S”が大切だ」という話であれば、そこに異論をはさむ余地は少ないと思うが、「“5S”(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底することで業績が上がる」と聞くと、「本当に?」と疑問を持ってしまうのもわかる気がする。

まず、“5S”を徹底できている会社についてもう少し考えてみよう。
徹底できている会社に共通するのは、もはや「“5S”を徹底する」という掛け声など無くても、自然にそれができていることだ。
「不要なものは捨てる」、「使ったものは元の場所に戻す」、「汚いところは掃除する」、「ゴミが落ちていれば拾う」、「お互いに気持ちの良い挨拶をする」、「来客への挨拶、応対(おもてなしの姿勢)ができる」・・・
書き出していくとまだまだ出てくるが、いずれも“当たり前”レベルの話だ。この“当たり前”レベルの行動や動きを、何のストレスも無くやれている。
決して「やらされている」のではなく、自発的に、思いやりの心を持って「やっている」からこそ、訪れる人にもそれが伝わり、「この会社は気持ちが良い」につながるわけだ。

侮ってはいけないのが、“当たり前”レベルの話だと言いつつも、“5S”を徹底できている会社は決して多くはないという事実だ。
「掛け声だけで誰も動かない」、「やってもいないのに否定的な意見が出る」、「自分はやっているが他がやらないと文句を言う」、「やるのは最初だけで、いつしか元に戻ってしまう」・・・
こういった会社が意外と多いのではないだろうか。
このように考えると、「“5S”を徹底できている組織が強い」というよりも、「“5S”すら徹底できない組織が弱い」と表現する方が正しいのかも知れない。
“当たり前”レベルのことが出来ない組織に、新たな戦略を具現化するための新しい行動が徹底できるということも考えづらいからだ。

プロ野球の試合でも、“当たり前”にゴロを捌く、“当たり前”にバントを決める、を徹底できるチームが最後には勝っているように、ビジネスにおいても「そんなこと“当たり前”ですよ」を増やしていくことで、レベルの差をつけられるということではないだろうか。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。