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サステナビリティ経営とは

サステナビリティとは、「持続可能性=(sustainability)」を意味する。持続可能性は、企業として収益を上げ、顧客の信頼を得て、存続し続けるということが、元来の意味だったが、今では地球環境の保護のための活動としてとらえられるようになっている。地球環境が損なわれたら、人々の生活を維持することができなくなるため、そうならないような活動を社会体としての企業が取り組んでいくべきという考え方である。

大手企業は毎年サステナビリティ・リポートを発行して、各自の環境貢献活動を公開している。その貢献活動は、自社の製品を環境対応することによって、地球環境に貢献する内容や、環境保護基金への資金を拠出することによるものなど幅広い。特に、ヨーロッパのRoHS規制やREACH規制など化学物質の安全性に対する要求は年々厳しいものになっており、そういった意味では、ケミカル業界のユーザーは、すべてサステナビリティを追求することが不可欠となっており、ケミカル業界の企業は何らかの形で、サステナビリティの活動に関与しているといえる。

環境先進国であるアメリカやヨーロッパでは、環境保護は、企業としての存続価値までを意味するほど重要な位置づけとなっている。地球環境の保護に貢献できないようならば、企業として存続すべきではないというほど、強い意味を持つことがあり、どの企業も、自社が地球環境に貢献する活動を行っていることをしっかりと表現している。例えば、レストラン一つとっても、天然捕獲物と養殖物があるならば、出来る限り養殖物を選び、養殖場での品質向上のための金銭的な支援を行っているという企業もある。

このように、従来は、顧客の好むものをいかに効率的に調達して提供かするという、利益重視の考え方であったものが、サステナビリティの考え方にのっとり、自社の存在意義を考えて経営方針を定め、その方針に共感する顧客と付き合っていくという方向に経営手法は変わりつつあるといえる。

サステナビリティ経営はあらゆる業界に適用することができる。

たとえば、アウトドア・ウェアで有名なアメリカのパタゴニア社は、価格は高いが長期間使用でき、万が一廃棄する際でもリサイクルできる素材を使用している。自社の製品で決して地球環境を汚さないこと、そして、消費者に製品を届けるという自社の立場を活用して、環境保護の考え方を広く消費者に普及させていくことを、徹底している。パタゴニア社は、アメリカで最も消費活動が活発となるサンクス・ギビング・デーに、自社のジャケットの広告を出し、「Do not buy this Jacket」という宣伝を出した。

消費活動が活発になるサンクス・ギビング・デーには消費活動が活発になるため、無駄な消費も増える。無駄な消費活動が地球環境に与える影響は大きいため、「自社の製品を買うな」という広告を出すことによって、サンクス・ギビング・デーとはいえ、本当に必要なものを購入するようにという呼びかけを行ったのである。それが正しいかどうかは、別として、無駄な消費、環境に悪影響を与える製品を省くことによって、地球環境の保護に一歩でも前進したいというサステナビリティ経営に基づく、パタゴニア社としての一つの行動であった。

しかしながら、予想外の結果となった。そのジャケットの売上は翌日売上が13%伸び、翌週の月曜日には、売上が28%伸びた。パタゴニアの理念に共感し、自分も環境保護のために貢献したいと考えた消費者が、パタゴニアの製品をあえて購入するという行動に流れたのだと考えられている。これは、結果として、どんなプロモーションよりも自社のファンを増やす結果となった。

このように、サステナビリティ経営とは、短期的な観点では、収益につながらなくとも、それに共感する人々とつながることができる経営である。サステナビリティ経営を行うのと行わないのとでは、文字通り、企業体としての存続に影響を与えるほど重要な要素となっている。