MENU
×

MENU

『今(現在)が良ければ……の近視眼が危ない』~マネジメントとは“やりくり”!

「何としても今期の目標を達成しなければならない!」
これが、多くのリーダーというポジションにいる方々に求められていることだ。当然、リーダーの頭の中の大部分は「今期の目標」ということになるだろう。そのこと自体に何か問題があるわけではない。
何はともあれ、ビジネスにおいては、結果を出す(業績を上げる)ことが重要だ。
一方、未来へ向けては、会社を成長させなければならない。
今期の結果を出すために取り組んでいることが、もちろん未来の成長につながるという理屈もあるが、多くの場合、それだけでは求める成長に向かっていかないことを、リーダーであれば理解している。

「今、結果を出さなければ、未来なんて無いんだから、当然、今が重要だ!」
「輝ける未来に向かっていくためには、今の業績ばかりに目を向けていてはダメだ!」
こういった話は随所に出てくるわけだが、これらはどちらも正しくて、どちらも間違っている。
中長期的に得られるであろう業績を犠牲にして、短期の業績を上げたとしても成果を上げたことにはならないし、未来の為だからといって、今、大きなリスクを冒すことも責任のある行動とは言い難い。
マネジメントとは、限られた資源を“やりくり”して成果を上げること、であり、それは現在と未来という時間軸に対しても両立させる、バランスをとる、ということなのである。

ところが、人間の脳は知らず知らずのうちに二元論に走りがちだ。
「今期、新規開拓の徹底強化を方針として打ち出したところ、既存顧客フォローが疎かになってしまい結果として総顧客数は減少してしまいました」
こういった事例を上げると、「そうそうウチの会社も・・・」と思われる方も多いだろう。
この場合、マネジメントとは、「新規か、既存か」という話ではなく、総顧客数を増やすためにどうバランスをとって取り組んでいくか、ということなのは理屈としては誰もがわかっているはずなのに。。。

多くのリーダーからは、こんな話もよく耳にする。
「部下に任せるよりも、(リーダーである)自分がやった方が早い(から自分でやる)」
「(部下が見つけてきた)この大きな案件は、決まるとインパクトが大きい(から自分がやる)」
確かに、仕事が出来るからリーダーになったのだろうから、部下よりも自分がやった方が、成果につながるだろうし効率も上がる、それは事実だろう。
しかし、その(部下に任せない)スタンスで組織が成長するのかどうかは疑問だ。
もちろん、今期の成果を上げるためには手っ取り早いし、手堅い、とも言えるが、未来の成果につなげるためには、部下を育成しなければならない。

先日、「メイド・イン・ジャパン逆襲のシナリオ」というテーマのTVを観た。
あのSONYが逆境に立たされている要因のひとつに、「研究開発の現場における自由闊達さが失われていった」というコメントが聞かれた。
利益を確保する(という結果を出す)ための、開発テーマや人員数の絞り込み、といった方策が、「研究開発の自由闊達さ」を奪い、結果として利益が出なくなっていった。
もちろん、それ以外にも様々な要因があるが、マネジメントとは現在と未来を両立させる“やりくり”だということを改めて実感することができる。

だからこそ、リーダーという役割についた瞬間から、「今やるべきことに答を出すために徹底的に考え抜く」クセをつけなければならない。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。