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『“意味づけ”が組織のパフォーマンスを低下させる』~鍛えるべきライフスキルとは!

「嫌な」上司… 「使えない」部下… 「無駄な」会議…

こういった“意味づけ”こそが、従業員個々人のパフォーマンスを低下させてしまう要因になっているし、そのような従業員が増えれば増えるほど、当然のことながら、組織全体のパフォーマンスを著しく低下させることにつながっていく。

「だったら、“意味づけ”なんかしないようにすればいいのに…」といった声が聞こえてきそうだが、現実的にはそれは不可能な話だ。人の“脳”は、四六時中、外界(環境、経験、他人)からの様々な影響を受けており、それに対して逐一勝手に「意味をつける」ようになっている。

朝、出勤するときに雨が降っていたら、どうだろう。メチャクチャ雨が好きで「雨だ、ラッキー」と思う人もなかにはいるのかも知れないが、多くの人は「雨は嫌だな」と思ってしまうのではないだろうか。いずれにしても、雨に対して「ラッキー」とか「嫌な」とか“意味づけ”をしていることに変わりはないわけだ。

満員の通勤電車はどうだろう。これは殆どの人が「嫌だ」、「うざい」といったマイナスの“意味づけ”をしてしまっているだろう。つまり、“脳”は必ず“意味づけ”してしまう。
そして、マイナスの“意味づけ”は“心”をノンフロー状態にするから、結果として、自らの行動の質(パフォーマンス)を低下させることになる。

よくよく考えてみると、非常にもったいない話だ。
冷静に考えれば、雨に「嫌な」雨も「ラッキーな」雨もない。単に、大気の状況が変化して雨が降っているだけの話でしかない。通勤電車にしても、通勤のピークになる時間帯はいつも決まって満員になるわけで、いたって日常のごくごく普通の出来事だ。

実は、この“意味づけ”に気づくだけ、で、“心”が「ノンフロー」にもっていかれることを防ぐことができる。このコラムを読んでいただいている方であれば、すでにご存知の「フロー」は、揺らがず、捉われず、気分の良い状態のことで、「ノンフロー」はその逆、つまり良くない“心”の状態ということだ。

よって、「フロー」であれば当然パフォーマンスは向上するし、「ノンフロー」であればパフォーマンスは間違いなく低下する。放っておくと、“脳”が勝手にマイナスの“意味づけ”をして、「ノンフロー」に陥ってしまい、本来出せるはずのパフォーマンスを発揮できない、という残念なスパイラルから逃れられないわけだ。

しかしながら、対策がないわけではない。

「雨が降ってるだけなのに、「嫌な」という“意味づけ”をしてしまってるなぁ、自分は」とか、「満員になるとわかってる時間の電車に乗ると決めたのは自分なのに、「うざい」と意味づけしてしまってるなぁ、自分は」とか、“意味づけ”していることに気づくだけで「ノンフロー」に陥ってしまうことを未然に防ぐことができる。

誰しもが、自分の行動の質(パフォーマンス)を高めたいと思うだろう。その為には「フロー」状態をキープすることが大切なのだが、どうしても“脳”のクセによって“心”を(ノンフローに)持っていかれてしまう。簡単に持っていかれることのないように、鍛えなければならないのが「ライフスキル」と呼ばれるスキルであり、そのひとつに、「“意味づけ”していることに気づく」があるわけだ。

「嫌な」上司… 「使えない」部下… 「無駄な」会議…
不毛な“意味づけ”で組織のパフォーマンスを低下させるのはもったいない、そんな気づきを持つ従業員が増えるだけでも、これまでとは違った会社になる。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。