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『“成功”よりも“成長”を志向するトップ』~全日本女子バレーボール真鍋監督に学ぶ!

今回は、「バレーボールワールドカップ2011」を取り上げてみたい。

昨晩、ついに世界ランク1位のブラジルにストレート勝ちした日本。
今大会不調のブラジルだが、日本が敗れたセルビアや中国には勝ってきているため、
日本は当然苦戦するだろうという心配を大きく覆してくれた見事な勝利だ。

ちなみに、今大会は3位以内にロンドン五輪の出場権が与えられる大会である。
当然、昨年の世界選手権で銅メダルを獲得した日本は、それを狙っているわけだが、
本来の先発ミドルブロッカーである2名(井上香織、山本愛)を怪我で欠いた状態で、現実的には非常に厳しい。

実は、今大会初戦のイタリア戦(1-3で日本は完敗)を見ながら思ったことがある。

この試合では、エース木村が徹底的にサーブで狙われ、
木村自身がなかなか日本の求めるスピードバレーのタイミングに入っていけずに決められないシーンが多々見られた。
要するにサーブレシーブで体勢を崩されていてトスに間に合っていない感じ。

ベストメンバーも組めてない状況なんだから、スピードバレーにこだわらず、
エース木村が打ちやすいトスを打たせる方が可能性はあるんじゃないか、ということを思ったわけだ。

これを監督目線で考えると、戦略をどう組み立てるかという話になる。

あくまでも今大会の勝利(ロンドン五輪出場権獲得)を重視して、現時点で考え得るベストの布陣、ベストの作戦へと切り換えて戦う方向を選ぶ。

あるいは、ロンドン五輪金メダル獲得のために、あえて今大会での出場権獲得にはこだわらずにチームを成長させる方向を選ぶ。

簡単に言えば、現時点で“成功”を求めるのか、“成長”を求めるのか、ということだ。

わかりやすくするために二元論的な言い回しになったが、
どちらかを選択するというよりもどちらを重視しているのかという話だと考えてもらいたい。

例えば、営業幹部が「今年は新規開拓を強化する」という方針を出したときに、
営業マンから「既存客はどうするんですか?」といった質問が出ることがある。
これは「新規をやると既存はできない」といった、どちらかしかないという類の話ではなく、バランスをどうするかという話に過ぎない。

おそらく真鍋監督は“成長”に重点を置いているのだろう。

第1戦は先発メンバーに入れてなかったし、交代で出してみても緊張でぎこちない動きだった岩坂を、
2戦目以降、先発として使うことを決断したことが象徴的だ。

しかも、嬉しい誤算はこの21歳の若き選手が、まさしく一戦一戦着々と成長しており、今やブロック部門ではベスト3に入るような結果も出している。

場慣れしたミスの少ないベテランを起用するのが手堅いようにも見えるが、それでは若手は育たない。
若手はたくさんミスをするかも知れないが、ミスの分だけ成長する。若手が成長した分は、当然チームも成長する。

それが一旦のカタチになったのが、昨日のブラジル戦だったのではないか。

あと3試合、どんな成長を見せてくれるのか非常に楽しみだ。

失敗を乗り越えるからこそ“成長”できるのであって、失敗を恐れて何もしなければ“成長”しない。

組織のトップは、是非“成功”よりも“成長”を志向してほしい。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。