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スパイラルアップ出来ない組織とは

こんにちは、船井総合研究所の濱野です。

今回は「スパイラルアップ」についてお話します。

スパイラルアップとは、文字通り螺旋階段のようにスパイラルを描きながら上昇していくことですが、概念としては新しいわけではありません。ヘーゲルの弁証法の中でも登場するもので、「森羅万象の事物は螺旋的経路を経て発展する」という考え方です。

スパイラルアップを可能にするには、物理的には円を描くような平面的な力の作用と、その平面に対して垂直に働く上方向の力の作用が必要になりますよね。

この実に単純な三次元のフレームを組織活動に当てはめて考えてみましょう。

いつまでたっても進化しない組織は、なぜ進化できないのか?
一つ目の要因は、前述した円を描くような平面的な力、例えばプロジェクトを推進させる力やPDCAサイクルを回す力がない。
二つ目の要因は、サイクルが一回転して元に戻って同じ工程に入った場合に、前回と同じやり方、同じスピードでやっている。下手をすれば、前回よりも非効率なやり方でやっていることもあるでしょう。つまり、上方向の力が全く作用しないために、何度繰り返しても、前回と同じレベル、もしくはそれ以下のレベルのアウトプットしか出せないということです。

この話をしていると、「Doing things better! Doing things differently!」と部下に激怒し、「毎年毎年、同じ時期に同じ業務をしているのに、どうして直前になって、毎回毎回同じ業務でつまずいて徹夜するハメになるのか。しかも業績が全く伸びていないじゃないか」と嘆いていたある会社の部長の顔を思い出してしまいます。スパイラルアップの概念が定着していない典型的な例です。

スパイラルは真上から見ると何度も同じ円を描きます。同じようにビジネスフローも、プロダクトライフサイクル、バリューチェーン、PDCAサイクル、年間活動、月次・週次・日次管理業務、プロジェクトの進め方などを見ても明らかなように、基本的には同じサイクルを繰り返します。速いスピードで進化できる組織というのは、このような様々な業務を一つのサイクルとしてとらえ、時間軸で可視化している傾向があります。そうすることで、常に改善ポイントを発見し、社内で改善に向けた動きを共有することができるからです。

一方、進化できない組織というのは、「そういえばこの仕事、前回はどんなふうに進めたんだっけ?」というような会話が当たり前のように行われ、しっかり整理しておけば毎回汎用できる業務なのに、またゼロからやり始めるといった非効率極まりない動きをしています。業務のフローを一つのサイクルとしてとらえ、全体を俯瞰できていないために、改善ポイントに気付かず、場当たり的に目先の仕事を処理するだけで精一杯になってしまうのです。そうなってくると、毎日忙しくて人手が足らないということで、新しい人材を投入してしまう。
ところが人件費が増えただけで実績が全く伸びず、なんとなく皆の仕事が楽になっただけ、といった例は皆さんもご経験があるのではないでしょうか。

いくら人が増え、業務を回す力があっても、縦軸で見た場合に業務フローの各工程がバリューアッドされていなければ、組織として大きな財務インパクトを産み出すことは不可能です。
こんなふうに組織活動を三次元的にとらえて、「このままのやり方(つまり前回と縦軸が同レベル)だと、前回と同じか、それ以下の成果しか出せないぞ!」と誰かが大きな声をあげて動きださない限り組織変革はなかなか進まないものです。

相当なパワーがいると思いますが、皆さんもスパイラルアップに挑戦してみてください。

濱野 雄介
船井総合研究所 プロジェクトマネージャー