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利益責任者レベルの業務の標準化

こんにちは、船井総合研究所の川原慎也です。
今日は、“業務の標準化”をテーマに取り上げてみたいと思います。

「何を今さら・・・・」という声が聞こえてきそうですが、私の知り得る限りほとんどの企業において手付かずになっているのがこの“業務の標準化”だと言えます。日本では製造業を中心に、いわゆる改善活動をTQC(Total Quality Control)やJIT(Just In Time)といった手法にまで昇華させて欧米の企業と比較しても高い生産性を誇ってきたという背景があるが故に、“業務の標準化
”には強いと思われがちです。確かに、日本マクドナルドに代表されるマニュアルの有効性をみると、それも間違いではありません。

しかしながら、果たして皆さんの職場ではいかがでしょうか?
コンサルタントとしての経験から特に問題だと感じるのが、利益責任を担っているポジションであるほど、“業務の標準化”が進んでいないことです。「マネージャークラスのスキルにバラツキがある」「営業スタッフのスキルにバラツキがある」「店長のスキルにバラツキがある」というように、さまざまなビジネスの現場において「スキルのバラツキ」が問題視されていながら放置
されていると言っても過言ではありません。何故、解決に向けて進んでいかないのでしょうか?私はおよそ3つのパターンに分かれるのではないかと考えています。

1つめは、思考停止パターンです。成果を上げているマネージャーあるいは営業スタッフについての要因を尋ねると、「あの人は特別だからね~。」という言葉で終わってしまう会社の多さには驚かされます。過去に聞いた『特別な人』を集めると凄い人数になるのではないかという、笑えない話もあるほど比較的多いのがこのパターンです。

2つめは、勘違いパターンです。成果を上げている人材の特性分析(適正診断のようなもの)をした上で、同じような特性を持つ人材の採用や配転につなげていくことを解決策として展開しています。しかし不可欠なステップ(業務の標準化)が抜け落ちているため、なかなか思うような結果につながらないというジレンマを抱えているパターンです。

3つめは、とりあえずパターンです。原因を正確に追究できていないために、場当たり的だけれども教育・研修でお茶を濁そうというパターンです。
特に2および3に関しては、適正診断あるいは教育・研修を否定しているつもりはまったくありません。

どのパターンにしろ、まずは“業務の標準化”が不可欠であることを理解していただきたいのです。

ひとつ事例を上げましょう。全国に営業拠点を展開しているA社における、営業所長の“業務の標準化”の取組です。A社は思考停止パターンに突入しており、「○○所長はスキルが高いんだから参考にならない」といった声が大半でした。思考停止の状態から、考える状態へと変わっていくことを目指して、収益の高い複数の拠点(○拠点)における営業所長の意識・行動と、収益の低い複数の拠点(×拠点)における営業所長の意識・行動を比較したところ、以下のような項目が抽出されました。

①  ○拠点の所長は営業利益を意識、×拠点の所長は売上を意識
②  ○拠点では少数精鋭を志向、×拠点は(より多くの)人員数確保を志向
③  ○拠点では毎月の重点販売商品を設定、×拠点では顧客のニーズに合った提案を推奨
④  ○拠点では個々人との面談重視、×拠点では全体会議優先

×拠点の所長は、今までの自分の意識と行動で何も間違っていないと信じていたわけですが、このようなカタチで並べて比較することで、大きな違いを自ら認識することができたようです。

「拠点長に必要なスキル」と考えてしまうと、“標準化”は難しいということになるのだろうと思いますが、「拠点長がとるべきスタンスと行動」の“標準化”は十分に可能だと思いませんか?

将棋をご存知の方ならおわかりいただけると思いますが、定跡を知らずして戦っても絶対に勝つことはできません。もしも定跡を知らずして戦っているマネージャー、営業スタッフ、店長がいるのであれば、早い段階でサポートしてあげていただければと思います。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。