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コミットメント~企業を活性化させる理由~

こんにちは、船井総合研究所の濱野雄介です。

今回はコミットメントについて お話します。

下記は、1998年12月26日にユニクロ(ファーストリテイリング株式会社)の柳井社長が13名の役員・顧問あてに送った電子メールの内容です。

「次回の役員合宿の質問事項です。この年末年始に考えてきてください。」

■2001年8月までに何をどのように改革するのか。
■どのように他企業と差別化するのか。
■どのようにしたら店長の転勤が3年に1回になるのか。
■どのようにしたらパート社員の平均勤続年数が3年以上になるのか。
■どのようにしたら店長の年収が倍になるのか。
■倍の年収の店長の必要条件は何か。
■最高水準の店長だけにするにはどのようにするのか。
■店長の仕事を労働集約から知識集約にするには、どうすれば実現できるか。
■店舗作業の大幅減を、コストアップせずに、お客様に迷惑をかけずにどのように進めるのか。
■店舗での問題点を、店長が的確に迅速に発信するために、どのようにしたらよいのか。
■売場の情報(顧客ニーズの発見)と本部での的確な対応がまだ不十分だが、この解決方法は何か。
■39期、40期の年間最適出店数は、店舗の質の大幅アップをするという前提で、何店舗が適切か。

このあと、商品、企画生産、店舗開発、広告宣伝などの質問が続き、全部で項目は44に及びました。(以上、「ユニクロ監査役実録」著:安本隆晴 ダイヤモンド社 より)

以上の質問項目を読んで、皆さんはどのような感想を持ちましたでしょうか。

企業のトップであれば、この程度の質問は日常的に幹部クラスに投げかけていると思う方も多いでしょう。一方、柳井社長のようなコミットメントができて いないと思った方もいらっしゃるのではないかと思います。

先日、ご相談を受けた企業では、社長の強烈なトップダウンによるマネジメントを行っており、部下の話に耳を傾けるという組織文化そのものがありませんでした。このような場合、経営者のコミットメントにより組織改革が成功することはまずあり得ないと考えてよいでしょう。その他、様々な理由により、コミットメントがうまく進まない企業は多く存在します。

では、どのようにすればコミットメントにより組織変革が成功するのでしょうか。上述の柳井社長のメールだけ見ても、いくつかのポイントが想定できます。

・企業のトップ層全員が現場をよく理解していること
・漠然と認識している問題を、文書化すること
・文書化した問題を共有化すること
・共有化した問題を、個々に考えさせること
・一見、解決不能と思われる問題にも挑むこと
・適切な時期に部下に問題を投げかけ、考える時間を与えること
・タイムリミットを決めて具体的なアウトプットを求めること
・会議や合宿を問題解決の場とすること

それでは、以上のポイントを押さえればコミットメントにより組織改革がうまく進むのでしょうか。

先日お伺いした企業では以下のような状態で、経営者の方も頭を抱えていました。

・解決すべき問題があまりにも多く、手のつけようがない
・問題を社員に投げかけても、ろくな解決策を出してこない
・組織改革なんて余計な仕事はやりたがらない「働かないオジサン達」が多い

このような場合は、企業のトップがコミットメントの姿勢を示しても効果は期待できないため、正しい判断を下せるのであればトップダウンのマネジメントの方がスピード感があって良いのかもしれません。

それなら、結局コミットメントは組織にとって意味が無いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんがそうではありません。コミットメントは組織活動にとって大きな意味を持ち、一般的にコミットメントの度合いが高い組織ほど、より正しい方向に動くとされています。その理由としては、問題の共有化から生まれる価値観の共有と、改善に向けたアクションから生まれる改革への参画意識などが、職務に対する満足度を高め、個人のパフォーマンスに対してプラスに働くといったことなどが挙げられます。

とすると、コミットメントそのもののやり方と社員のスキルが問題になってきますが、やり方としては複数のクロスファンクショナルチームを立上げ、少なくとも3ヶ月から6ヶ月を目安として問題に取り組むケースが多いようです。

社員のスキルについては、現実的に自社のリソースだけでは対処できないため、コンサルタントを一定期間だけ常駐させる企業も増えてきています。当社では、問題発見スキル、問題解決スキル、プロジェクトマネジメントのスキルなどを社員の皆様に身につけていただくところからサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。

濱野 雄介
船井総合研究所 プロジェクトマネージャー