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組織変革の重要性~組織力が強化する理由とは~

こんにちは、船井総研の濱野雄介です。
今回は、「組織デザイン」についてお話しします。

2年ほど前、ちょうど今のような暑い時期に、某IT系企業から「来年度以降の中期経営計画の作成をお手伝いいただきたい」という依頼を受けたことがあります。
ニーズは、中期経営計画の見直しにあたり、非効率な動きが目立つ開発部門と営業部門をはじめ、組織デザインを抜本的に変えたいというものでした。

「中期経営計画」というと、今後3年間の売上・利益などの定量的な目標を掲げ、それを達成するためのアクションを具体化していくこと、つまりKGIとKPIをまとめたもの、といった印象が強くなってしまうのですが、この企業の場合は、中期経営計画の作成が「組織変革」というテーマそのものでした。

このHPをお読みいただいている皆様の会社でも、戦略の見直し、人材育成の仕組みづくり、評価・報酬制度の見直し、業務プロセス管理手法の見直しといった、組織変革に関わる何らかのテーマに取り組んでこられたことと思います。むしろ、組織変革に取り組んだ経験がない会社を探すことの方が難しいでしょう。

さて、ここで皆さんに考えていただきたいのは、「なぜ定期的に組織変革が必要になるのか」ということです。
市場やお客様といった外部環境の変化や、自社の内部環境の変化に対応する必要があるからでしょうか。もちろんそれも正しい答えの一つといえますが、もう一歩踏み込んで、なぜそのような“変化”に常にマッチングした状態を維持できないのかという視点で考えてみてください。個人的には、「組織デザイン」そのものに問題があるためと考えています。

どういうことかというと、極端な言い方をすれば、組織というのはそもそも現状の事業活動を維持するようにデザインされているケースがほとんどで、日常業務を支障なく行う活動と、創造的破壊による改善活動を同時に進めるようにデザインされているケースは意外と少ないということです。

皆様の会社は、創造的破壊による改善活動の推進が可能な「組織デザイン」になっていますか。

┌────────────┐ ┌────────────┐        
│現状の業務を継続する機能│+│創造的破壊による改善機能│
└────────────┘ └────────────┘

話は変わりますが、チャンドラーが「組織は戦略に従う」と提唱したのに対し、アンゾフは「戦略は組織に従う」と全く逆のことを提唱しました。これは、企業にとって「戦略」と「組織力」のどちらのプライオリティが高いかという議論ですが、企業によって状況は異なるので、チャンドラーモデルとアンゾフモデルのどちらのスタンスを取るべきかについては正解があるわけではありません。

しかし、競争環境が激しく、戦略の耐久時間そのものが短くなってきている状況下では、頻繁な戦略変更に耐えうる組織や、自ら新しい戦略を見出して突き進む「組織力」がより重要になってきていることは事実です。こうした、いわゆる強い組織をつくるには、上述したような「組織デザイン」へのシフトが必要といえるでしょう。

皆様の会社におかれましても、中期経営計画の見直しを機に「組織デザイン」を抜本的に見直してみてはいかがでしょうか。来年度以降の中期経営計画の見直しをお考えでしたら、中期経営計画策定の進め方に関する資料を差し上げますので、お気軽にご連絡ください。(hamano@funaisoken.co.jp)

※KGI: Key Goal Indicator
 KPI: Key Performance Indicator

濱野 雄介
船井総合研究所 プロジェクトマネージャー