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アパレル企業幹部の利益意識の持ち方の課題

2020年にかけアパレル業界の優勝劣敗が鮮明になる予感がします。2015年商戦は都市部の一部百貨店などにおいてはラグジュアリー系ブランドの好調などがありましたが、暖冬の影響、円高による原価率上昇などの影響もあり業績不調企業が多数発生しました。経済の流れの中では今は好景気であるはずなのにアパレル産業はいち早く超不景気に突入したかのような惨憺たる有様なのです。まさに業界全体が構造不況の様相です。この構造不況の最も大きな原因はアパレル企業幹部の利益意識の持ち方の取り違えです。

ここでいうアパレル産業の幹部とは経営層はもちろんのことブランド事業部長、エリア長、スーパーバイザー、MDマネージャー、MD、ディストリビューター、VMDマネージャー、販売トレーナークラスまで指します。アパレルでは高感度で付加価値の高い商品を作ることに組織が全力を注ぎ売れる商品を作ること、知名度をあげることに全力を注ぎます。日常のマネジメントもショップごとに今日の売上金額、売上枚数、他社の売上金額などを報告させ全力で自社の前売り強化に取り組みます。右肩上がりの時代はブランド間競争の末、負け組と勝ち組に分かれるもののこれまでなんとかやってきました。

幹部は今、どのブランドが当たっているのか、何が売れ筋なのか、来シーズンのファッショントレンドはどうなっていくのかということの情報収集に1年の大半の時間を費やしていました。そして積極的な店回りが奨励され店頭スタッフを励まし、ディスプレーや演出方法の修正の指示を出し売上アップに取り組むという流れです。これを毎シーズン繰り返しながら上はさらに新ブランド立ち上げ拡販しようと計画するわけです。この構造はアパレル産業独特のものです。他の業界では店舗毎の損益管理、事業毎・ブランド毎の損益管理はビシッと出ます。

それを管理して事業価値、企業価値を高めることが幹部の最重要課題です。しかしアパレルでは“上代”管理制度が災いもして真の利益管理が難しく幹部は経営レベルの数値管理の視点や能力が低いままという弱点を持ったままなのです。幹部に真の経営を教え、利益が獲得できるビジネスの構造とはどういうものなのかを学ばせ、経営のスタイルと体質の転換を急がなければなりません。感性は重要ですが感性だけでは飯は食えません。感性をお金に換えるビジネスの仕組みづくりに一日も早く取り組まねば現在の構造不況は乗り越えられないはずです。


経営改革フォーラム2016

岡 聡
株式会社船井総合研究所 執行役員 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/流通業(メーカー・卸・小売)向け
入社以来、アパレルメーカーでの企画・製造・小売の総合的な知識に船井流マーケティングをドッキングさせ、ドラッグストア、ホームセンター、商業施設・商店街、食品スーパーなどの小売業の活性化、メーカー戦略、ブランド開発、商品開発、チャネル開発、新業態開発、営業部隊活性化、本社戦略・営業システム開発、マーケティング教育などをトータルに企画・コーディネートし、企業の経営企画をサポートしています。(経済産業大臣登録 中小企業診断士。日本商工会議所・全国商工会連合会 1級販売士。)