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自社内ベストプラクティスの重要性

最近、様々な営業現場で、事例として水平展開することに取り組まれている自社内ベストプラクティスの重要性が高まっています。
ベストプラクティスを社内研修の題材として扱うだけではなく、KPIを利用して、活動内容を整理することによって、現実的な業務として水平展開が容易になることはよく知られていることですね。
営業活動のKPIごとに、全社平均の取り組み数値とベストプラクティスセールスを比較してみると違いが鮮明になることを確認いただけたことと思います。
このように、要素に分解した上で数式化していくことで活動内容の差異が鮮明になり、その営業マンのウイークポイントや癖を確認することが可能になります。
自分の弱い部分に気づいた時に、そのポイントを上手に対処しているベストプラクティスが見つかると、「自分から水を飲む」状態を作り出せるはずです。
基本的に、営業マン本人の自覚を促すことによって、本気で取り入れる姿勢を作ることがポイントになります。
営業活動内容の記録によるトレーサビリティは、人員数が多い大企業でやるものというようにお考えになる方が多いのですが、少人数であっても実は重要なことなのです。

営業マンの退職時に引継ぎがうまくいかず、クライアントとの関係が途切れる経験は多くの企業で実際にあることです。まして、優秀な営業マンが転職する時には、人脈ごと持っていかれてしまうことも少なくありません。法人営業は長い時間をかけながらクライアントとの人間関係を築き上げていく要素が大きいため、人脈の引継ぎは難しいものです。
しかしながら、引き継げない原因の多くが、「前任者の活動内容がわからない」ことに起因するものであることも事実です。
そもそも企業の看板を背負って仕事をするのが営業マンの業務なのですから、個人商店化することは好ましいことではありません。しかしながら、管理者は優秀な営業マンに甘く、実績を上げている間は、そのやり方まで踏み込んでいくことを躊躇するケースが多いため、なかなか行動レベルまでを把握することは難しいものです。

さらに、優秀な営業マンが特殊な行動を取っているケースは、実はさほど多くはなく、むしろ業務プロセスごとにきちんと仕事を完結させていることの方が多く見られます。
そのような場合には本人が自覚していないため、その凄みを周囲に伝えることができません。実際には、同じプロセスであっても取り組みの深さが違うのですが、結果的に一般社員は、「本人の話しを聞くと、自分達と何も変わらないと言っているが、あの人は特殊だ」という印象を持ち、その活動から何かを学び取る意欲を失ってしまいます。
重要なことは、優秀な営業マンの活動を一般営業マンに理解できるよう「ノウハウ・ドゥハウを解明」し、「活動の翻訳」をした上で伝達することなのです。
そのためには、やはり業務プロセスごとに「どのような仕事をしているのか」
を明らかにしていく必要があります。優秀な営業マンを管理するためではなく、一般営業マンに営業技術を伝承していくためにプロセス解明が必要なのです。
優れた営業マンの優れたプロセスを解明し、一般営業マンに開示していくことによって、営業マン自身が自分のウイークポイントにフィットする事例を適用することができる環境を作ることができます。
優秀営業マンには、「一般営業マンに活動の翻訳をするために、自社の営業業務プロセスを明らかにしておくことが必要なので協力してもらいたい」と言うべきでしょう。最初は嫌がるかも知れませんが、業務の一貫としての営業技術の伝承が必要であることは、理解いただけると思います。自分自身が管理されるためではなく、「後輩育成のために一時的にやるもの」と考えてもらえれば、協力はしてくれるでしょう。実際に業務として整理すると、優秀営業マンの方が気づくことが多いものです。
このように導くのは、管理者のウデしだいと言うことになりますが、目的は自社の営業業務プロセスを明らかにすることなので、個々に確認しなくてもできるのであれば問題ありません。
個人差の大きな会社の場合には、結果のマネジメントしかされていないことも多いので、プロセスそのものを見る習慣が薄い場合には、全社的な取り組みとして展開することをお勧めします。