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『コンサルティング会社に学ぶ“部下育成”のテクニック!』

船井総合研究所では、近年新卒社員を多数(約70名)採用していることから、そのことを知るクライアント企業から、「新卒社員を一人前のコンサルタントに育成するのは大変なことだと思うんですが、何か特別な育成プログラムがあるのでしょうね」という質問をいただきます。

実際のところを言うと、毎年試行錯誤しながら取り組んでいるという答になってしまいますが、とは言いながらも蓄積している手法を、各先輩コンサルタントが持っているのだと思われます。本コラムでは、恐らく皆さんにも参考にしてもらえそうなやり方を紹介しましょう。なぜ参考になりそうだと思っているのかというと、人間の本質的な行動特性を踏まえてマネジメント上、気をつけなければならないことだからです。

具体的には、以下のような事象が上げられます。

【1】上司から依頼された時間のかかりそうな業務は必要以上の時間を見積もる
これは誰もが思い当たるかと思いますが、急いで取り掛かれば2~3日で終わるイメージの業務であっても「いつまでに出来る?」と尋ねられると、少し余裕をみて「一週間」と答えるようなケースです。

【2】いったんもらった時間は使い切る
余裕をみて一週間もらっているので、時にはすぐに取り掛かって3日で終わることもあるのですが、それをすぐに報告せずに一週間使い切ろうとします。「もう少し時間をかけてクオリティの高いものを出そう」としたり、「あまり早くやるともっと沢山の業務を依頼されてしまう」ことを恐れたり、が理由です。

【3】余裕があるのでギリギリまで取り掛からない
これは【2】とは異なり、余裕が持てたが故に別の業務を優先してしまい、結果としてギリギリまで着手しないようなケースです。

【4】複数の業務を依頼されて大変だというイメージだけが先行して、どの業務もなかなか完了しない
「今どんな業務を抱えているの?」と質問すると、「いやぁ、もういろいろあって大変で、全然終わらないんです」と答える若手社員に、「具体的には何と何があるの?」ともう一度聞いてみると、実際は片手(つまり5つ以内)で収まるケースが殆どです。

ひとつひとつは、ややもすると教える側の上司も陥ってしまうことも少なくないので、本質的な行動特性という前提に立っているわけですが、これらを放置すると大変です。

特に【2】や【3】は、組織において不可欠な報連相が滞ってしまう要因になりますし、ひとりの業務の停滞はそれを引き継ぐ部署やメンバーにも悪い影響を与えてしまいます。

そのように考えてみると、悪い連鎖を生み出している起点である【1】の「時間の見積もり」を回避することが非常に重要となるわけです。少し乱暴に感じるかも知れませんが、見積もった時間の半分を要求するのがベターです。
当然、要求された方は「今、これとこれを抱えていて、とてもその要求には応えられない」といった話をしてくるので、それらをいかに片付けていけば良いかを教えてあげるきっかけにもなります。

結果として、【4】の複数の業務に関わっていてどの業務もなかなか終わらないという状況から、どの業務を先に終わらせて、次にどの業務をやるのかという整理もできるわけです。当たり前ですが、人は同時に2つの業務はできませんね。ところが業務を依頼される側の立場に立つと、依頼される業務が複数になり、上司から途中の進捗確認を受けたときに「まだ着手していない」とは言いづらいので、とりあえず着手した状況にはしておこうと考えます。結果として完了しない業務を複数抱えたまま時間が過ぎていくわけです。

「そんなことがコンサルティング会社の社員育成になるんですか?」とよく言われますが、これらを自分ひとりで解決しながら業務を進められるようになれば、早い段階でどんどん仕事を任せられるようになるので、結果としては育成につながるもっとも近道だと言えます。

是非、取り入れられるところがあれば実践していただきたいと思います。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。