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『言葉への“こだわり”がもたらす行動』~トップアスリートのこだわりに学ぶ!

日本は、後半37分、オーストラリアに先制ゴールを許してしまい窮地に立たされました。
残り時間はわずか8分。体力的にも厳しくなってくる時間帯でもあり、「まだまだ、諦めるのは早いから頑張れ」とは思うものの、「今日は決められないかも」と多くの方が思っていたかも知れません。

ところが、本田選手は「諦めない」気持ちだけではなく、それを自らの動きで示していました。
ボールを貰うために見方の視界に積極的に走り込んでいく。たとえボールを持っていない場面でも、相手に接触を仕掛けて大げさに転んでみせる。前日にロシアから戻ってきたばかりとは思えないような体力を感じさせました。
そして、相手のちょっとした隙を狙って豪快なミドルシュートを放ちます。
このシュートが相手選手に当たってゴールラインを割り、あのコーナーキックを獲得しました。
ここで日本はショートコーナーを選択、すぐさま本田選手にボールをあずけ、本田選手は中央の見方に向かって早めのパス、それがなんと相手のハンドを誘ったわけです。
報道では、PKのシーンばかりが取り上げられますが、あのPKを獲得するまでの動きこそ本田選手の真骨頂ではないか、そんな感じを受けたのです。

この試合の数日前、ロシアで記者会見を開いた本田選手は、親善試合でブルガリアに破れた日本代表について、こんな話をしていました。
「人間、気が緩んでないと思っていても、気が緩むものなんだ。だから、気の緩みに陥らないように自分自身と向き合い続けなきゃいけない」
「これで本当に大丈夫か?やり残していることはないか?もっと準備すべきことがあるんじゃないか?常に自分に問い掛け続けなきゃいけない。とことん自分自身と向き合わなきゃいけない」

ややもすると、「気が緩んでちゃダメだ、しっかりやっていこう」という声掛け程度で終わらせてしまいそうな言葉です。
なぜならば、気が緩んでいるのかいないのかは、結局その瞬間にはわからないからです。結果を出せなかったときに、「もしかすると、気が緩んでいたかも」という使われ方をするような言葉なのです。
ところが、そんな反省の弁など決して言いたくないであろう本田選手は、「気の緩みって何だろう」と考え抜き、「絶対に気の緩みはなかった」と言える自分であるために今やるべきことは何だろうと、自らが納得できる具体的な行動をとるのでしょう。

大リーガーのイチロー選手にも見られることですが、トップアスリートと呼ばれる方々は、徹底的に言葉の意味を考え抜く傾向が強いようです。
考え抜く過程があるからこそ、自分がすべき行動を決定づける、あるいは行動の質を高める、ことにつながっているという実感があるからだろうと思います。
これは、ビジネスにおいても同じことでしょう。
「PDCAを回す」、「顧客満足を向上する」、「営業力を高める」等々、その場面場面で使われる言葉の意味、言葉の定義を徹底的に考え抜く時間をとってみて下さい。
考え抜いた結果、「だから今やるべきこと」が見えてくれば、個々人の、あるいは組織の行動の具体的な変化をもたらすきっかけになるのではないでしょうか。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。