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『リーダーが陥りがちな部下育成の罠』~“任せる”姿勢がもてない現実!

「最近の若手はなかなか伸びないですねぇ、、、ちょっと叱られた程度で会社に来なくなったりする社員もいるし、他社ではどうしてるんでしょうか?」
こういった質問がかなり増えてきている。
特に、いわゆる“ゆとり世代”が社会に出てくるようになり、「ゆとり世代だから・・・」という世の中の論調も多々耳にするようになった。

しかし、思い起こすと、バブル期の若者たちは“新人類”と呼ばれていたし、「最近の若い連中は何を考えているのか・・・」というフレーズは、私も含め“オジさん”となった世代の決まり文句だったりもする。
恐らく、育った時代を反映した各世代の特徴はあると思うし、それがどういったものなのかを認識することも大切だと思うが、いずれにせよ、リーダーは部下を育てなければならない。

なぜならば、
部下を育てることで生産性が上がり、売上が拡大する。
部下を育てることで効率化が進み、利益が拡大する。
かのドラッカーも様々な著書で述べているように、“人”という経営資源だけが、大きな成長の可能性を秘めた唯一の経営資源であり、だからこそリーダーの重要な役割になるわけだ。

では、「若手が育たない・・・」現在、リーダーに何が欠けているのだろうか。
恐らく、バブル崩壊以降の失われた20年とともに失われていっているのが、部下に“任せる”姿勢なのではないかと感じる。
経済成長の局面においては、当然仕事量も増えていく。そうなると、どんどん部下に仕事を任せてしまわないとリーダー自身の仕事も回らなくなる。部下が少々失敗したところで、挽回するチャンスはいくらでもある。部下にとってみても、失敗するからこそ成長する、という見方もできる。

一方、現在は、なかなか売上が上がらない状況に陥っている企業が多い。ということは、部下の成長の善循環のスタートとなっていた“任せる”姿勢になれないリーダーが増えているのかも知れない。
何とか回していける仕事量。部下に任せたい気持ちはあるものの、失敗されたりすると簡単には取り返せないから、どうしても自分がやった方が安全。当然、任せてもらうこともなく、失敗も許されないなかで、なかなか人は成長できない。

このように考えてみると、現在のリーダーの方が厳しい状況に立たされている。
環境や状況に上手に対応していくことが、良いスパイラルで物事が回っていくことに繋がっていた頃と比較すると、そう簡単には事が運ばない状況にあるということだ。
だからこそ、今リーダーに求められるのは、“鷹の目”と“蟻の目”をバランス良く鍛えることであり、そのスキルをもって、様々なジレンマと戦う力なのである。

“任せる”姿勢が部下の成長に不可欠だというのであれば、「“任せる”とはどういうことなのか」、「自分は何を考え、何をすべきなのか」に、自分なりの答を出さなければならない。