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『間違いだらけの“目標管理”(その3)』~経営企画室の目標とは!

先週の記事を読んだ知人のAさんからメールがきた。

「いつも楽しく読ませてもらってるけど、ちなみに経営企画室の目標って何を設定すればいいの? 経営企画室.comなんだから良い知恵下さいよ。」

ちなみにAさんは、某薬品メーカーX社の経営企画室長。

これは、非常に悩ましい質問だ…。
というのも、知っている限りの数の経営企画系の部署を考えてみても、その役割や権限、業務内容は千差万別だし、
Aさんは知り合いだけどX社に転職してからは仕事をいただいてないのでX社のこともわからない。

仕方がないので、とある飲食チェーンY社で立ち上げに関わった経営企画室を想定しながら質問に答えることにした。
ちなみに、このY社が知る限りではもっとも“あるべき経営企画室”に近いと思っている。

主な業務内容は以下の通り。

1. 経営分析レポート作成(月間、四半期、半期、決算)
2. 経営分析数値にもとづく各部門の担当役員、部長、課長への個別ヒアリング
3. 特に課題となる部署に関しては、現場にて事実確認
4. 各部門からの要望を取りまとめて市場動向調査(全国、エリア、県)
5. 競合各社の動向分析
6. 中期経営計画、年度計画に上がっているプランの進捗確認
7. 進行中のプロジェクトの進捗確認

特に重視しているのが、2番、3番、6番だ。

Y社の経営企画室では、分析レポートに出てくる実績数値に対して、その良し悪しの要因をヒアリングし、
ヒアリングの内容が本当なのかどうかの事実確認のため現場に出向く。

例えば、「価格競争が厳しくて集客が減少している」という話が出てきたときに、
具体的にどの競合がどんな価格で攻めてきているのかを見に行くわけだ。

また、6番の中期経営計画に向けての行動計画は、利益率を向上する部門の効率化(資源を圧縮しながら生産性を担保する等)の動きが進められ、
強化部門への資源異動が進んでいるか、といったレポートには表れにくい動きが計画通り進んでいるのかをチェックする。

これらの業務内容を考慮して、組織図上は社長直轄の部門になっている。

Y社と同じような動きをするのであれば、経営的な意思決定を行なう上で役に立つレポートが作成できているかが評価の対象になるだろう。
よって数値目標を設定するとすれば、経営層や幹部層からのお役立ち度を指標化するのも一案だ。

現場に出向いての事実確認が、Y社経営企画室としての強みにもなっているため、
経営的課題の抽出数、課題解決による改善効果、なども指標としては悪くない。

以前は、経営企画室主導の下にコスト削減プロジェクトを立ち上げて、
店舗の賃料削減、文房具等の備品代の削減、食材仕入れコストの削減に取り組んで、
合計数千万円規模のコスト削減を達成したこともある。だから、各部門からは出てこないようなコスト削減額も指標としてあげられる。

Aさんに対しては、これらの回答をまとめて返したところ、

「そんな業務、ウチの部署だと人数が少なくてとても無理だよ。“お役立ち度”は試しにやってみようかな。」

と返信がきたので、Y社の実態をお伝えした。

「Y社は社員3名とパート2名ですよ。要するに他部門をいかに巻き込めるかです。」

Y社の社員3名の経歴は基本的に現場(店舗)出身、よってPCスキル等のリテラシーもかなり怪しいが、
各担当役員から現場に至るまで、そのコミュニケーション能力で求められる業務を遂行する。
レポートに関しては殆どパートの2名が作成しているわけだ。

これが「経営企画室に何を求めるのか」について、Y社が出した答である。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。