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『間違いだらけの“目標管理”(その2)』~制度の“目的化”から脱却する!

“目標管理”制度はそもそも何の為に導入したのか?

この問いかけに答えられなかったり、あるいは通り一遍等のごくごく一般的な答えを返すことしかできない会社が結構多かったりする。

まあ、それも致し方ないことか、なんて思うのは、導入時にそれを引っ張った担当者も異動でいなかったり、
そもそも経営者も変わってしまっている、のもよくある話だからだ。

前回も少し触れたが、こういった制度は運用しながら自分の会社にあった方法(つまり導入目的を満たすようなもの)へと改善していくことで組織に馴染んでいくもの。

だから、「ウチにはこの制度は合わない」なんて言ってること自体が少しおかしくて、
「この運用方法はウチには無理が生じるから修正しよう」と考えた方がいいだろう。

“目標管理”制度を導入している会社は、大多数が評価制度との連動を図る。
これ自体に大きな問題は無いが、評価と連動させているがために、期初にシート(目標)を記入して、
期末にそのシートを確認して評価に活用する、といった運用方法になっている会社が多い。

これがどんな状況を引き起こしているのか?

比較的わかりやすい営業部門を例にとってみよう。営業だから、数値目標は明確だ。
その目標を達成するために実施する方策(キャンペーン等)も記入されている。
既存顧客からどの位の売上を獲得し、新規顧客を開拓する目標も掲げられている。

その為に注力する商品・サービスも当然上がっている。
つまりシートの記入事例として考えても及第点を与えられるレベルに仕上がっている。

しかし、期初のタイミングはそれで良かったはずだが、
その感覚のまま(シートの記入内容を見直すことなく)期末までやり続けられるような業界がどの位あるだろうか?

得意先の大手が大きく業績を落としたため、今期の取引が激減する。
期待されていた新商品が全く支持を得られず、既存顧客の離反が増加する。そういった不確実な要素がビジネスにはつきものだ。

もちろん、バブル崩壊やリーマンショックを経験してきた私たちは、業績が環境の変化に大きく左右されてしまうことを理解している。

よって、このようなカタチ(現実とはかけ離れた目標管理シートが運用されてしまっている状況)で、
このシートを活用している営業はいないといってもいいだろう。

評価に反映されてしまうという現実もあるから、表向きしっかりと記入はしているものの、
所詮は実績数値で評価されると思っているから、内容に関してはもはや見栄えが良いか悪いかの領域だ。

これらは営業に関わらず、どんな部門でも似たり寄ったりの状況を招いている。

これこそが、まさしく「手段の目的化」だ。何らかの目的の為に導入した“目標管理”制度は、
その制度をまわすこと自体が目的化して運用されてしまっている。

そもそも“目標管理”は、「自ら目標を設定してそれを実現する」ことで個々の社員のモチベーションを向上させること、
作成のプロセスにおいて組織の戦略目標を社員の行動レベルに落とし込むことでその実現を図ること、が重要な目的だ。

それを前提に考えると、作成段階で会社全体の戦略目標が明確に定まっていて、それが各部門の目標にまで落とし込まれていることが不可欠だ。
それをもとに部門長は個々のメンバーと議論をしながら作成されなければならない。

また、年に1~2度の確認ではなく、少なくとも月単位で進捗管理や目標の修正などを実施しながら、
組織の目標達成を推進するものでなければならないし、個々人の成長を応援するものでなければならない。

「月単位の管理は別途マネジメントシートがあるから、煩雑になって無理ですよ。」

これまで何度も耳にしてきた言葉だ。複数の部門が自らの役割を果たそうとして、複数の似たような管理システムが混在してしまっている。

「何の為に、何を活用し、何を止めるのか」を決めることが大切である。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。