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『間違いだらけの“目標管理”(その1)』~“目的”と“目標”について考える!

「ウチの会社は目標管理で評価してるんだけど、いまいちうまくいってないんですよ。」

よくよく考えると、うまくいってますという話を聞くことが殆ど無いといっても過言ではない“目標管理”だが、
とは言っても、そもそもはあのドラッカーが提唱した考え方でもあり、
マネジメントの本質部分においては間違っていないのだろうと思う。

経営面で活用されるメソッドに関しては、目標管理の他にも経営品質賞やISO、バランススコアカードなど様々なものがあり、
「うまくいってる」と思うレベルになるまでには相応の期間を要するものだ。

しかしながら、「よし、やってみよう」と導入した企業にとってみれば、早く成果を上げたいと考えるのは当然のことであり、
だからこそ拙速にその成果を要求するがあまり「なかなかうまくいかない」だったり「この制度はウチの会社には合わない」といった判断になってしまう。

これは非常に残念というか、もったいない話だ。

よって、今回から数回にかけて、よく活用されているメソッドについて押さえるべきポイントを解説していきたいと思う。

ということで、冒頭の“目標管理”だが、その名の通り“目標”に関しては目が向けられているが、
こと“目的”という話が放置されているケースが多い。あらためて言うまでもないことだとも思うが、“目的”を果たすための“目標”だ。

「売上目標を○億円にする」
「○件の商品開発をする」
「生産コストを○%削減する」
「新卒採用人数を○名にする」

これらは、その年の“目標”であって、“目的”ではない。

まずは、企業として組織全体の“目的”を明確にしなければならないのだが、それが従業員の腹に落ちる言葉まで落とし込まれていない。
“理念”や“ビジョン”といったカタチで提示されてはいるものの、それと“目標”が全く結びついていないということだ。

だから、現場ではこんなことが起こる。

「“目標”達成しないと評価されないから、達成できそうな“目標”にしておこう。」
「そんな達成できそうもない“目標”にさせられたら、やる気なくなりますよ。」
「そもそも“目標管理”を導入した目的は何なんですか? 給料抑えたいだけでしょう。」

“目的”のはっきりしない“目標”を追いかけ続けると従業員は疲れる。

「今期“目標”を達成して喜べるのはほんの一時で、すぐに来期“目標”に向かって走り始めなければならない。これって、毎年毎年続いていくんですよね…。」
「個人的には“目標”達成したんだけど、他の事業部が全く不調で、結局会社の業績も下がってるからボーナスは期待できないらしいですよ。一体何どういうことなのか…。」

ワールドカップ金メダルという偉業を成し遂げ、その後のロンドン五輪予選も見事に突破した“なでしこジャパン”。
彼女たちの感覚で言うと、金メダルも予選突破も、そのときそのときの“目標”でしかない。
もちろん、達成したときの喜びは大きいと思うが、それを味わえる期間は思いのほか短い。

しかし彼女たちには、「日本女子サッカーをメジャーにする」、「もっと多くの日本の少女たちがサッカーをやろうと思う環境をつくる」、「その少女たちが将来の夢をもてる」、という具体的な“目的”を持っているから、走り続けられるし、高い目標も掲げられる。

“目標管理”の運用の解説で、“目的”に関してはサラっと流すような感じだったり、あるいは触れられてもいないモノもあったりするが、
実はもっとも時間をかけなければならないのが、この会社としての“目的”を明確にすることだ。

我々がサポートする際には、「創業原点」や「お客さまとの約束」、
「仕事上の感動体験」といったキーワードをもとに進めるプロセスの中で、腹に落ちる“目的”をあぶり出すようにしている。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。